yura
保育事務・幼稚園事務は、園児の保育現場を裏方で支える重要なポジションです。一方で「保育士と違って室内で座ってパソコン」と思われがちですが、意外と席にいない時間もあります。本記事では、元幼稚園事務員としての実体験をもとに、 詳しく解説します。これから幼稚園事務を目指す方や、現場の改善ポイントを探す方の参考になれば幸いです。
Profile
大学で4年間保育・幼児教育について学んだ後、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。卒業後は保育士として保育園で4年間担任を勤める(1・2・3歳児クラス経験あり)。結婚後は引っ越しを機に、幼稚園事務に転職。現在は時間に融通の利く幼稚園パート(保育補助)として勤務している。
保育事務の主な仕事内容
園の種類(私立、公立、企業主導型など)や規模によって業務内容は多少異なりますが、以下のような仕事が主に含まれます。
1. 書類作成・管理
- 保育料に関する帳票・請求書の作成
- 児童の出欠管理
- 各種申請書(入園・退園・転園など)の受理と整理
2. 経理・会計業務
- 保育料や給食費の管理
- 会計帳簿の作成・管理(会計ソフトを使う場合も)
3. 保護者対応
4. 職員サポート・庶務
- 備品や教材の発注・在庫管理
- 園長や保育士の業務サポート
- 職員のシフト管理
5. 園内の環境整備
など
※あくまで一例です
私は保育士資格や幼稚園教諭免許も持っていたので、時々クラスに入って子ども達を見ることもありました。園によっては事務員も行事の際に手伝ったりするので、「意外に子どもと関わる」と言う人もいます。
幼稚園事務が「大変」と言われる3つの理由
- 業務範囲が広い
- 保育に関わる書類作成(出席簿、保護者へのおたより、掲示物など)
- 保護者・職員・行政など、多方面とのやりとり
- 経理・備品管理・システム入力など、園のバックオフィス全般
- 締め切り・イレギュラー対応が多い
- 急な欠員対応や行事準備資料の修正依頼
- 行政監査や事故報告の書類提出
- 専門的知識が必要
- 個人情報保護や労務管理に関する法令遵守
- 園児健康管理(発熱報告・感染症対応)など、保育者と連携した知識
- 業務負担が大きい
- 基本的に事務員は一つの園につき1~2人なので、代理を立てるのが難しい仕事でもあります。
保育事務になってよかったこと
子どもの笑顔に触れる間接的な喜び
- 園内の“にぎわい”を感じられる
直接保育はしなくとも、廊下越しに聞こえる楽しそうな声や行事での笑顔を見るたび、やりがいを実感できます。
- 行事企画・実施の達成感
運動会や発表会でのプログラム進行を裏方で支え、無事成功させたときの充実感は格別です。
業務を通じた社会貢献感の醸成
- 保育現場を裏方から支える
子どもたちの安全・成長を支える書類管理や環境整備は、保育士が「思い切り子どもと向き合える」土台をつくる重要な役割です。自分の仕事が園全体の質向上に直結する実感が得られます。
- 保護者や地域との信頼構築
保護者への連絡調整や行事運営サポートを通じて、「ありがとう」「助かった」という声を直接もらえる機会も意外とありました。
どんな人が向いている?向き不向きな人の特徴
向いている人
- マルチタスクが得意:同時に複数の依頼を捌きつつ優先順位を判断できる
- コミュニケーション力が高い:保護者や職員、行政の担当者と円滑に連携できる
- 几帳面・正確性を重視:小さなミスが園の信用に関わるため、細部に気を配れる
- 学習意欲がある:制度改正やITツールの導入など、常に新しい知識をキャッチアップしたい
保育士経験・幼稚園勤務経験があると、保育業務に理解があるので仕事もやりやすいと思います。ほかにも事務・経理の経験がある方は、会計業務や書類作成などで重宝されやすいです。
向いていないかもしれない人
- 変化を嫌う:補助金制度改正や新システム導入など、日常的に変わる環境にストレスを抱える可能性
- マニュアルだけで安心する:状況変化に柔軟に対応する必要があるため、書かれた手順だけを守ることを良しとしない
- 対人コミュニケーションが苦手:窓口対応や保育者とのやりとりが多いため、内向的すぎると負担に感じやすい
- 臨機応変に対応するのが苦手:他の保育者からイレギュラーな頼み事をされることがあるため、頼みごとに応じて臨機応変に動かなければならない
まとめ
幼稚園事務は確かに多忙ですが、ツールの活用やフロー整備、コミュニケーション術で十分に快適な業務環境をつくることができます。これから事務職を目指す方、すでに現場で奮闘中の方ともに、ぜひ自分に合った方法を見つけ、より充実したキャリアを築いていってください。