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保育事務は大変?元経験者が明かすリアルな仕事内容と必要なスキル、大変だったことなど

yura

Last Updated on 2025年5月26日 by yura

保育園といえば「保育士」、幼稚園といえば「幼稚園教諭」のイメージが強いですが、実は園を支える重要な役割として「保育事務」「幼稚園事務」という職種が存在します。筆者も保育士を勤めた後は「幼稚園事務」へ転職しました。
一方で保育事務は「保育士と違って室内で座ってパソコン」と思われがちですが、意外と席にいない時間もあります。本記事では、元幼稚園事務員としての実体験をもとに、 詳しく解説します。これから保育・幼稚園事務の転職を検討している方はぜひ参考にしてください。

yura(筆者)
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Profile
大学で4年間保育・幼児教育について学んだ後、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。卒業後は保育士として保育園で4年間担任を勤める(1・2・3歳児クラス経験あり)。結婚後は引っ越しを機に、幼稚園事務に転職。現在は時間に融通の利く幼稚園パート(保育補助)として勤務している。

保育事務の主な仕事内容

保育事務は、保育園における「事務全般」を担当する職種で、園長や保育士と連携しながら、園の円滑な運営を支える役割を担います。

園の種類(私立、公立、企業主導型など)や規模によって業務内容は多少異なりますが、以下のような仕事が主に含まれます。

1. 書類作成・管理

  • 保育料に関する帳票・請求書の作成
  • 児童の出欠管理
  • 各種申請書(入園・退園・転園など)の受理と整理

2. 経理・会計業務

  • 保育料や給食費の管理
  • 会計帳簿の作成・管理(会計ソフトを使う場合も)

3. 保護者対応

  • 電話応対・窓口対応
  • 行事案内や配布物の作成と配布

4. 職員サポート・庶務

  • 備品や教材の発注・在庫管理
  • 園長や保育士の業務サポート
  • 職員のシフト管理

5. 園内の環境整備

  • 園庭の整備
  • 園舎内の掃除・消毒

など

※あくまで一例です

yura(筆者)
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私は保育士資格や幼稚園教諭免許も持っていたので、時々クラスに入って子ども達を見ることもありました。園によっては事務員も行事の際に手伝ったりするので、「意外に子どもと関わる」と言う人もいます。

保育事務に求められるスキル

基本的なPCスキル

  • 必須ではないが、Word、Excel、メール対応のスキルは必要
  • 会計ソフトやクラウド管理システムを扱うところもある

コミュニケーション能力

  • 保護者や職員と円滑なやり取りが求められる
  • 来園者への丁寧な対応や電話応対も業務の一部
yura(筆者)
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基本職員室にいたので、園長先生と一緒にいる機会が多かったですね。個人的には、園長先生と気が合わないとしんどいかもしれないと思いました。

正確性と責任感

  • 書類や数字のミスが園の運営に影響するため、丁寧で正確な作業が求められる

保育業界への理解

  • 子どもの発達や保育制度への最低限の知識があると、職員との連携がスムーズになる

必要な資格はある?

基本的に、保育事務に特別な国家資格は必要ありません。 ただし、以下のような資格や経験があると採用や業務に有利になることがあります。

  • 日商簿記(2級・3級):経理業務に携わる場合
  • 医療・介護事務経験:福祉関連の事務経験は評価される
  • 保育士資格:保育業界への理解が深いとみなされる
  • Excel・Word・PowerPoint検定などのPCスキル資格

幼稚園事務が「大変」と言われる理由

  1. 業務範囲が広い
    • 保育に関わる書類作成(出席簿、保護者へのおたより、掲示物など)
    • 保護者・職員・行政など、多方面とのやりとり
    • 経理・備品管理・システム入力など、園のバックオフィス全般
  2. 締め切り・イレギュラー対応が多い
    • 急な欠員対応や行事準備資料の修正依頼
    • 行政監査や事故報告の書類提出
  3. 専門的知識が必要
    • 個人情報保護や労務管理に関する法令遵守
    • 園児健康管理(発熱報告・感染症対応)など、保育者と連携した知識
  4. 業務負担が大きい
    • 基本的に事務員は一つの園につき1~2人なので、代理を立てるのが難しい仕事でもあります。

保育事務になってよかったこと辛かったこと

良かったこと

  • 園内の“にぎわい”を感じられる
    直接保育はしなくとも、廊下越しに聞こえる楽しそうな声や行事での笑顔を見るたび、やりがいを実感できます。
  • 行事企画・実施の達成感
    運動会や発表会でのプログラム進行を裏方で支え、無事成功させたときの充実感は格別です。
  • 保育現場を裏方から支える
    子どもたちの安全・成長を支える書類管理や環境整備は、保育士が「思い切り子どもと向き合える」土台をつくる重要な役割です。自分の仕事が園全体の質向上に直結する実感が得られます。
  • 正確で丁寧な仕事が評価されやすい
    書類や経理、備品の発注・管理などの業務は正確さが求められます。書類や手続きがスムーズに進むことで、保育士が保育に集中できる環境を整えることができます。

辛かったこと

  • 様々な業務がある
    業務内容が多岐にわたるため、想像してたより仕事量が多く、臨機応変な対応が求められます。
  • 孤独感を感じる
    事務員だと保育士の頃よりコミュニケーションを取る機会が少なく、若干の孤独感を感じました。

どんな人が向いている?向き不向きな人の特徴

向いている人

  • マルチタスクが得意:同時に複数の依頼を捌きつつ優先順位を判断できる
  • コミュニケーション力が高い:保護者や職員、行政の担当者と円滑に連携できる
  • 几帳面・正確性を重視:小さなミスが園の信用に関わるため、細部に気を配れる
  • 学習意欲がある:制度改正やITツールの導入など、常に新しい知識をキャッチアップしたい

保育士経験・幼稚園勤務経験があると、保育業務に理解があるので仕事もやりやすいと思います。ほかにも事務・経理の経験がある方は、会計業務や書類作成などで重宝されやすいです。

向いていないかもしれない人

  • 変化を嫌う:補助金制度改正や新システム導入など、日常的に変わる環境にストレスを抱える可能性
  • マニュアルだけで安心する:状況変化に柔軟に対応する必要があるため、書かれた手順だけを守ることを良しとしない傾向がある
  • 対人コミュニケーションが苦手:窓口対応や保育者とのやりとりが多いため、内向的すぎると負担に感じやすい
  • 臨機応変に対応するのが苦手:他の保育者からイレギュラーな頼み事をされることがあるため、頼みごとに応じて臨機応変に動かなければならない

まとめ


保育事務は、保育園運営に欠かせない存在であり、事務スキルやコミュニケーション能力を活かして働ける職種です。資格がなくても始められ、保育業界への貢献を感じられる仕事でもあります。

未経験から挑戦することも十分可能なので、事務職に興味があり、子どもや保育の世界を支えたいと考える方には、非常におすすめの職種です。ぜひチャレンジしてみてください。

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