子どもにイライラしてしまう…保育士の心が楽になる接し方とは?

どうして何度言っても聞いてくれないの…

イライラしちゃいけないってわかってるのに、感情が抑えられない
そんな風に感じてしまうことはありませんか?
「子どもが好き」でこの仕事を選んだのに、なぜこんなにしんどいのか。自己嫌悪や罪悪感でいっぱいになってしまう先生も多くいます。
でも、それはあなたが真剣に子どもと向き合っている証拠。この記事では、保育・教育現場でよくあるイライラの原因と、今日から実践できる“心が楽になる接し方”の工夫をご紹介します。

なぜイライラしてしまうのか?その正体を知ろう

子どもが「思い通りにならない」ことが積み重なる
例:
- 何度言っても片付けない
- お友達とすぐケンカになる
- わざとふざけるような行動をとる
こうした行動を目にすると、「私の関わり方が悪いのでは?」「なんで伝わらないの?」と自信を失いがちになります。
すると、本来困っている子どもを支えるという視点よりも、
→「私の指導が届かない」
→「自分が否定されているようでつらい」
という自己否定感にすり替わり、強いストレス反応=イライラとなって現れるのです。

私も新卒の頃は子どもとの関わり方に苦戦していました…。
自分に余裕がないとき、感情のブレーキがきかなくなる
例:
- 日誌や指導案などのデスクワーク
- 保護者対応やクレーム処理
- 人間関係のストレス
- 行事準備・制作物・研修レポート
- 時には家庭のことでの悩みも
保育者も一人の人間です。こうした状態が続くと精神的に余裕がなくなり、日々の保育にも影響が出ることがあります。
「ちゃんとしなきゃ」「いい先生でいなきゃ」というプレッシャー
多くの保育者は「子どもたちのために」「ちゃんとしなきゃ」という強い責任感を持っています。
しかしその気持ちが強すぎると、次第にプレッシャーに変化していきます。
- 「先生なんだから、怒ったらいけない」
- 「全部の子に平等に接しなきゃ」
- 「常に笑顔でいなきゃダメ」
- 「どんな子にも優しくしなきゃ」
これらは理想の先生像に自分を押し込める心理であり、実はとても負担が大きいのです。
そして、その理想と現実のギャップに悩んだとき、子どもに対してではなく「できない自分」に対する怒りや悔しさがイライラとなって噴き出してくるのです。
「怒ってはいけない」「優しくいなきゃ」と理想を高く持ちすぎてしまう人ほど、自分を責めやすくなる傾向があります。
こんな時どうすればいい?子どもの行動と対処例
何度注意しても片付けをしない

背景によくある心理
- 遊びをやめたくない
- 片付けの「やり方」がわからない
- 他の子がやってくれると期待している
対処法の例
- 「あと3回遊んだらお片付けだよ」と予告して切り替えの見通しを持たせる
- 「先生と一緒にこのおもちゃからやろうか」と手本+共感の声かけでスタートを促す
- 「積み木はおうちに帰る時間みたいだよ〜」などストーリー仕立てで遊びから片付けへ自然につなげる
何でも「イヤ!やらない!」と拒否する

背景によくある心理
- 自分で決めたいという自己主張の芽生え(特に2〜3歳)
- 新しいことへの不安や不快感
- 日常で「やらされ感」が強くなっている
対処法の例
- 選択肢を与える:「お支度する?それとも先にトイレ行く?」→“選ばせて主導権を感じさせる”
- 「いやだったんだね」と気持ちを受け止めたあとで提案
- 拒否が続く場合は、“その活動に対して過去に失敗体験がないか”を振り返ることも有効
お友達にすぐ手が出る(叩く・押す)
背景によくある心理
- 自分の気持ちをうまく言葉で伝えられない
- 注目を集めたい・関わりたいが手段がわからない
- 感情が高ぶって制御が効かない(未発達な自己制御)
対処法の例
- 落ち着いてから、「叩いた理由」を言葉で整理できるよう促す(代弁)
例:「○○ちゃんが使ってたから取りたかったのかな?」 - 「どうしたらよかったと思う?」と選択肢を提案しながら考えさせる
- 普段から気持ちを表現する練習(絵カード・ロールプレイなど)を繰り返しておく
集まりや制作などで座っていられない/すぐに立ち歩く
背景によくある心理
- 集団活動が苦手(じっとするのが苦痛)
- 興味が続かない/達成感を感じにくい
- 身体を動かすことで安心感を得ている
対処法の例
- 視覚的に「あとどのくらい?」がわかるようにタイマーや絵カードで可視化
- 全体の活動の中で「役割」や「参加感」を持たせる(例:「絵本係」や「手渡し係」)
- 最初から長く座ることを期待せず、「今日は3分座れたね!」と小さな成功を積み重ねる
子どもとの関わりで心が楽になる5つの接し方

① まずは「今、自分は疲れている」と認める
「怒り」の感情の下には、疲れ・不安・焦りなどの「隠れた感情」があることが多いです。
イライラしてしまった時は、
「今、自分ちょっと疲れてるんだな」
「余裕がないだけで、子どもが悪いわけじゃない」
と言ってみましょう。これだけでも反射的な怒りを抑えやすく、冷静な対応に。
②「できていない」ではなく「伸びている途中」と考える
子どもは発達段階の途中です。大人のように理解して行動することは難しいものです。イライラしそうな時はこの言葉を思い出してください。
「今はまだ、その力が育ってないだけ」
「今、チャレンジしてる最中なんだ」
「できる前提」で見るか、「育つ途中」と見るかで、気持ちのゆとりが違ってきます。
③ 「怒る」より「伝える」を意識する
✕「なんでいつもそうなの!」
〇「困っているお友達がいるよ。どうしたらいいかな?」
強く怒ると、その場は収まっても本質的な理解や信頼関係にはつながりにくくなります。
怒りそうになったら一呼吸置いて、「この子に何を伝えたいのか?」を考えてから言葉にする習慣を持ちましょう。
④ 自分の「得意な関わり方」を持っておく
- 冗談で笑わせる
- 目を見て静かに話す
- 一緒に絵を描いて距離を縮める
すべての子どもに同じ接し方をする必要はありません。あなたなりのスタイルで関係を築くことが、子どもとの信頼関係の第一歩になります。
⑤ イライラをためない「小さな吐き出し口」を作る
- 日記アプリに思ったことを記録する
- 同僚に「今日、疲れたね」と一言共有する
- LINEグループやSNSで“吐き出す場所”を持つ
- 友人や家族と話す
感情はため込むと爆発します。こまめに出すことで、心の健康を保ちやすくなります。

と、まぁここまで色々書きましたが、私も経験者なので現場の余裕のなさは分かります…。
それでも苦しいときは「環境」を変える選択も

イライラの原因が自分の努力では改善できない場合、働く環境を見直すことも選択肢の一つです。
▶︎ 例えば、こんなときは環境を見直してOK
- 職員間のサポートがなく、孤立している
- 園の方針が自分の保育観とかけ離れている
- 業務量が多すぎて毎日がいっぱいいっぱい
そんな時は、パート勤務や小規模保育園、放課後等デイサービスなど、自分に合った職場を探すことも大切です。
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まとめ|子どもにイライラしてしまうあなたへ

子どもにイライラしてしまうことは、決して「向いていない証拠」ではありません。むしろそれは、子どもに真剣に向き合っているからこそ起きる葛藤です。
だからこそ、自分を責めすぎず、
- 感情との付き合い方
- 子どもとの向き合い方
- 自分を労わる習慣
を身につけることが、長く楽しく保育を続けるためのカギになります。
「子どもが好き。でも、しんどい」と感じたあなたが、少しでも笑顔で子どもと向き合えるようになることを願っています。