男性保育士は大変?メリットとデメリット・課題・やりがいを解説
Last Updated on 2025年6月11日 by yura

近年、保育現場で少しずつ増えつつある男性保育士。しかし、いまだに保育士の多くは女性であり、男性保育士が働く環境には特有の課題や偏見も残っています。この記事では、男性保育士の現状、メリット・デメリット、抱えがちな課題、そしてその中にあるやりがいについて詳しく解説します。

男性保育士の現状とは?
こども家庭庁の保育士登録者数等(男女別)によると、令和6年時点での登録者数は女性は179万9343人であるのに対し、男性は9万8676人です。
参照元:子ども家庭庁「保育士登録者数等(男女別)」
ただし、10年前と比べると徐々に増加傾向にあり、特に都市部では男性保育士を積極的に採用する園も増えてきています。
増加の背景
- 働き方改革による保育士不足の補填
- 多様性を重視する時代の流れ
- 男性視点の保育ニーズ
男性保育士のメリット

体力面での貢献
男性は体力的に優れている場合が多く、運動用具や園庭の整備、行事の準備や後片づけなど、重いものを運ぶ力が必要とされる場面で頼りにされます。
また、外遊びや、身体を使ったダイナミックな遊びを提供してくれるという理由で、特に体力のある年中・年長クラスで重宝されやすいです。
防犯効果
男性職員の存在そのものが、防犯上の抑止力になることがあります。特に送迎時や園外活動の際に、男性がいることで保護者からの安心感が増すことも少なくありません。
職場の多様性向上
女性中心の職場に男性が加わることで、組織内の価値観や雰囲気が多様化し、良い意味での緊張感やバランスが生まれやすくなります。
父親が相談しやすい
子育て中の父親にとって、同性である男性保育士は相談しやすい存在です。父親も育児に積極的に関わりたいときに、男性保育士が橋渡し役になるケースもあります。最近は父親が送迎する機会も増えているので、女性保育士に相談しづらいことも男性保育士なら話しやすいという方もいるでしょう。特にシングルファーザーの方にとっては、男性保育士は心強い存在でしょう。
男性保育士のデメリット・課題
性別による着替えやおむつ替えなどの対応の難しさ
近年、児童に対する性犯罪が増えていることもあり、男性保育士が子どもとの関わりに制限があることがあります。
- 女児のおむつ替えや着替えの介助を任せてもらえないことがある
- 保護者や同僚からの視線が気になる
- 子どもとのスキンシップに制限がある
保護者によっては「男性保育士に女児の着替えやトイレ介助、おむつ替えをさせないでほしい」といった意見もあります。また、園側が男性保育士にそのような行為を禁止している場合もあります。そういった不安感や警戒心を受け止める覚悟が必要ですが、常に子どもたちや保護者に対して誠意を持った対応を心がけましょう。
職場での孤立感
男性職員が少ないため、相談相手や共感してくれる相手が見つけにくく、精神的に孤立してしまうケースも見られます。また、園によっては男性トイレ・男性更衣室を設けていない園もあります。
給料が上がりにくい・キャリアの天井
保育士全体に言えることですが、特に男性の場合は「一家の大黒柱」としての収入を期待されがちな一方、保育業界は他業種に比べて給料水準が低く、年収がなかなか上がらないという現実があります。そのため、将来設計とのギャップに悩む声も少なくありません。保育の現場では「主任」「園長」といったポジションが一定数しか存在しないうえ、女性の職員が長く勤めているケースも多いため、昇進機会に恵まれないと感じることもあります。
男性保育士への転職サポート
男性保育士としてよりよい職場を探すなら、保育士向け転職サイトの活用すると良いでしょう。女性中心の保育業界の中でも、男性職員の採用に積極的な園を紹介してくれることもあります。
レバウェル保育士なら…
- 非公開求人が多く、好条件の職場に出会える可能性が高い
- 人間関係や休憩制度など“実際の現場の声”を事前に知ることができる
- LINEやメールでの転職相談可能なので、忙しい方でも安心

男性保育士が感じるやりがい・将来性

子どもとの信頼関係
性別に関係なく、子どもたちは心を開いてくれます。特に「大好きな先生」として慕ってくれる瞬間は、保育士としての大きなやりがいとなります。男性保育士は少ないので、子ども達からも人気者となるでしょう。
保護者からの感謝
最初は不安を感じていた保護者も、日々の関わりの中で信頼してくれるようになり、「先生がいてくれて安心です」という声をもらえることも。
職場内の潤滑油としての役割
男性だからこそ冷静な視点でトラブルを中和したり、業務の効率化や力仕事を買って出たりすることで、チーム全体に貢献できる場面があります。
男性保育士として働く上での工夫と心構え

- ジェンダー意識を持ちすぎず、過剰に意識しすぎない:子どもにとっては性別よりも信頼できる大人であることが大切です。
- 保護者や同僚とのコミュニケーションを丁寧に:不安を与えない関わり方や、誤解を招かない言動に配慮することで信頼関係が築けます。
まとめ|男性保育士の今後と期待

男性保育士はまだ少数派ではあるものの、その存在意義は年々高まっています。多様性が尊重される社会において、男性保育士の活躍は保育の現場に新しい価値をもたらします。
今後は、性別にとらわれない人材評価が進み、男性保育士が安心して長く働ける職場環境が整備されていくことが期待されます。性別を理由に悩んでいる方がいるなら、一歩踏み出してみる価値は十分にあると言えるでしょう。