【例文あり】保育士が退職を引き止められたときの対応方法・断り方を解説

「退職したいと伝えたら、強く引き止められてしまった」

「条件を変えるから残ってほしいと言われてしまった」
人手不足が慢性化している保育現場では、退職の意思を伝えた瞬間から引き止められることもあるでしょう。
本記事では、保育士が退職を引き止められる理由、断り方のポイント、断り方の例文などについて、現場経験を踏まえて解説します。

なぜ保育士は退職を引き止められるのか?

まず理解しておきたいのは、引き止めはあなた個人の問題ではないという点です。
慢性的な人手不足
まず大きな理由として挙げられるのが、慢性的な人手不足です。園によっては最低限の人員で日々の保育を回しており、ひとりでも欠けるとクラス編成やシフト調整、配置基準への影響が出てしまいます。
そのため、退職者が出ること自体を避けたいという事情があります。
採用コスト・教育コストを抑えたい
新たに保育士を採用するためには、求人広告費や採用活動の手間、採用後の引き継ぎや育成など、多くの時間とコストがかかります。
そのため、すでに戦力になっている職員を引き止める方が楽という判断が働きやすいのです。
子ども・保護者に不安を与えたくない
担任や日常的に関わっている保育士が辞めることで、「クラスは大丈夫なのか」「子どものケアは行き届くのか」と不安に感じる保護者が出ることを、園としてはできるだけ避けたいと考えています。そのため、「今辞めると保護者が不安になる」「子どもたちがかわいそうではないか」といった言葉をかけられることも少なくありません。
ただし、保護者への説明やフォローは、本来、園全体として行うべきものであり、個々の保育士が退職を思いとどまらなければならない理由にはなりません。
十分な引き継ぎ期間を設け、適切な対応を行えば、保護者対応は園として十分にカバーできます。あなたの退職の意思を尊重しない理由にはなりません。
結局は辞められると困る
「あなたに残ってほしい」という言葉の裏側には、「辞められると運営が回らなくなる」「代わりが見つからない」という園側の事情があるケースがほとんどです。
引き止めの言葉が優しく聞こえたとしても、その本質は園の都合によるものであることを、理解しておく必要があります。
退職を伝える際の基本スタンス|まず押さえるべき考え方

退職は労働者の正当な権利
退職は労働者として認められた正当な権利であり、引き止めに応じる義務はありません。園の事情を考慮する必要はあっても、自分の人生や働き方を犠牲にしてまで残る必要はないのです。
一度決めた意思を曖昧にすると長引く
一度退職の意思を伝えたにもかかわらず態度を曖昧にしてしまうと「まだ迷っているのではないか」と受け取られ、引き止めが長期化しやすくなります。
辞めると決めているのであれば、その意思をぶらさず、同じスタンスを保つことが重要です。
あらかじめ、退職日を決めておく
「後任が決まるまで」「忙しい時期が終わるまで」といった理由で退職時期を先延ばしにし続けると、結果的に辞め時を失ってしまいます。
もし後任が決まるまでだとしても、退職時期は明確に決めておくことが大切です。
繁忙期は避けておく
やむを得ず年度途中に退職する場合は、園の繁忙期を避けることが円満退職に繋がります。運動会や発表会、クリスマス会など、大きな行事の前後は避け、比較的落ち着いている時期を選ぶといいでしょう。
園の就業規則を確認する
保育園によっては「退職は1ヶ月以上前に申し出ること」などのルールが定められている場合があります。民間の園では特に規則が厳しいこともあるので、就業規則や雇用契約書を確認しましょう。
退職を伝える時期は、引き継ぎや人員補充の準備期間が取れる2〜3ヶ月前が理想です。
保育士が退職を引き止められたときの断り方のポイント

個人の事情として伝える
まず意識したいのは、退職理由を個人の事情として伝えることです。園への不満や人間関係の問題を前面に出すと「改善するから残ってほしい」「配置を変えるから続けられないか」といった再提案につながりやすくなります。
家庭の事情や将来の働き方、キャリアの方向性など、園側が介入しにくい理由を選ぶことで、話が長引きにくくなります。
条件交渉に乗らない
「給料を上げる」「配置を変える」などの提案を受けることもありますが、一度条件で引き止められて残っても、根本的な問題は解決しないケースが大半です。
一時的に職場環境が改善されたように見えても、数ヶ月後には元に戻ってしまったり、辞めにくい立場に追い込まれたりするケースが多くあります。
曖昧な返事をしない
「少し考えます」「また相談します」といった曖昧な返事は避けるべきです。こうした返答は、園側に期待を持たせてしまい、引き止めが強まる原因になります。
退職の意思が固まっているのであれば、変わらないことをはっきり伝える方が、結果的に円満な退職につながります。
退職引き止めの断り方【例文】
例文① 丁寧・無難なパターン
この度は、私の退職の件につきまして、温かいお言葉とご配慮をいただき、誠にありがとうございます。園のことを思ってお声がけいただいていることは十分承知しており、大変ありがたく感じております。
ただ、今回の退職につきましては、家庭の事情や今後の働き方について時間をかけて考えたうえで、自分なりに出した結論です。
一時的な気持ちや衝動ではなく、今後の人生全体を見据えた判断であるため、誠に勝手ながら、退職の意思を変えることはできません。
これまで多くのことを学ばせていただき、感謝の気持ちは尽きませんが、〇月末での退職という形でご理解をいただけますと幸いです。
例文② 条件提示を断る場合
私のために、勤務条件や配置についてご検討いただき、本当にありがとうございます。
そのお気持ちは大変ありがたく、ここまで考えていただけたことに感謝しております。
ただ、今回退職を決意した理由は、勤務条件や業務内容だけに限ったものではなく、今後のライフスタイルや自分自身のキャリアの方向性を総合的に考えた結果によるものです。
そのため、条件を調整していただいたとしても、残り続けるという選択を取ることは難しい状況です。
改善案をご提示頂いたのにも関わらず、ご期待に応えることができず、誠に申し訳ございません。
例文③ 強い引き止めを受けた場合
これまで何度もお時間をいただき丁寧にお話をしてくださり、ありがとうございます。
園としても大変な状況であることは理解しておりますし、引き止めていただけること自体、ありがたく思っております。
しかしながら、何度かお話しさせていただいた通り、私自身の中では退職についての考えはすでに固まっており、これ以上お返事を変えることができません。
中途半端な形でお返事を続けてしまうことの方が、園にとってもご迷惑になると感じております。
つきましては、〇月末での退職を前提として、引き継ぎ等について進めさせていただければと思います。
最後まで責任を持って務めさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
感情的にならず、淡々と同じ内容を繰り返すのがコツです。
退職する際に注意すべきこと

引き継ぎはしっかりしておく
- クラスの子どもの情報(性格、健康状態、家庭環境など)
- 日々のスケジュールや保護者対応のポイント
- 行事や制作の進行状況
など、引き継ぎはしっかりしておきましょう。また、引き継ぎノートや資料を作成し、口頭では伝えきれない情報を記録しておくことで、後任の保育士の負担を軽減できます。
職場の仕事に影響が出るというのも事実なので、いかに仕事への影響を最小限にして辞めるかも大切です。
子どもたちや保護者への対応
退職を伝えるかどうかは園によりますが、可能であれば子どもたちとの別れを丁寧に行うことで、自分自身の心の整理にもつながります。
次の職場が決まっているか確認
辞めた後、次の就職先がすぐに決まらないこともあります。収入や生活への影響も見据えたうえで、計画的に行動することが大切です。
第三者に相談するという選択肢
引き止めが強く、断り方に悩んでいる場合や、次の職場探しを一人で進める余裕がない場合には、外部の転職サポートを利用するという選択肢もあります。
例えば、保育士専門の転職支援として知られているレバウェル保育士では、退職時の立ち回りについても相談できます。引き止めに悩んでいる段階で情報収集の一環として利用するのも、一つの方法でしょう。
また、レバウェル保育士なら非公開求人多数、事前に職場の人間関係や評判も確認可能で、連絡手段も選べます(LINE・メール・電話)。
サービスはすべて無料なので、まずはお気軽にお問い合わせください。
まとめ

- 引き止めは園側の事情によるものが大きい
- 退職は保育士の正当な権利
- 曖昧な態度は長期化の原因
- 一人で抱え込まず、第三者の視点を入れる
保育士という仕事は尊いものですが、我慢し続けることが正解ではありません。
納得できる形で次の一歩を踏み出すためにも、冷静に、そして自分の意思を大切にしてください。
