【保育士の退職】年度途中で辞めるのはアリ?辞めたい時の伝え方・注意点・引き継ぎのコツ

「年度途中だけど、もう限界……。保育士を辞めたい」
そんな悩みを抱えている方は少なくありません。保育士の仕事はやりがいがある一方で、心身の負担が大きく、特に新人や若手ほど年度途中の退職を考える場面に直面しがちです。
この記事では、保育士が年度途中で退職することの可否や注意点、辞めると決めた場合の円満な辞め方や引き継ぎのポイントについて詳しく解説します。

年度途中で保育士を辞めるのはアリ?

結論から言えば、「年度途中で辞めることは可能」です。労働基準法上も、原則として退職の意思を伝えてから2週間後には辞めることができます。
ただし、「年度途中で辞めること=無責任」というイメージを持たれやすく、職場や保護者との関係性によっては批判的な声が上がることもあります。そのため、以下のようなケースでは特に慎重に対応する必要があります。
よくある退職理由
- 人間関係のストレス(上司、先輩、同僚との不和)
- 子どもとの関わりに自信を失った
- 労働時間や持ち帰り仕事が多く体調を崩した
- 結婚、妊娠、家族の介護など私的な事情
- 他業種への転職やキャリアチェンジ
心身の限界を感じている場合や、これ以上続けることで健康や人生に支障をきたすと判断した場合は、「辞める」という選択も立派な自己防衛です。

私自身の考えとしては、「自分自身の人生なんだから好きにさせてくれ」くらいの気持ちでもいいと思います。ただ、職場の仕事に影響が出るというのも事実なので、「いかに仕事への影響を最小限にして辞める」というのが大切だと思っています。
年度途中で辞めるときの注意点

年度途中での退職は、通常のタイミング(3月末など)よりも周囲への影響が大きくなるため、以下の点に注意しましょう。
1. 園の就業規則を確認する
保育園によっては「退職は1ヶ月以上前に申し出ること」などのルールが定められている場合があります。民間の園では特に規則が厳しいこともあるので、まずは就業規則や雇用契約書を確認しましょう。
2. 突発的な退職は避ける
心が限界に近いと「明日からもう行きたくない」と思うこともありますが、無断欠勤や急な退職はトラブルや損害賠償リスクを生むことも。辞める場合は最低限、誠意ある対応を心がけましょう。
3. 次の職場が決まっているか確認
年度途中で辞めた後、次の就職先がすぐに決まらないこともあります。収入や生活への影響も見据えたうえで、計画的に行動することが大切です。
退職を伝えるタイミングと伝え方
1. 退職を伝えるベストなタイミング
- 理想は2〜3ヶ月前:引き継ぎや人員補充の準備期間が取れる
2. 誰に最初に伝えるべき?
- 園長または主任が最初の相談相手
- 同僚に先に漏らすのはトラブルの元
3. 退職理由の伝え方(例文あり)
例1:体調不良を理由にする場合
「実はここ最近、体調を崩しがちで、医師からもしばらく安静を取るように言われています。園には大変ご迷惑をおかけしますが、今のままでは職務を十分に果たせないと判断し、退職を決意いたしました。」
例2:キャリアチェンジの場合
「以前から関心のあった別の分野(例:病児保育など)に挑戦したいという思いが強くなり、このたび退職を決意いたしました。園での経験を糧に、次のステップに進みたいと考えています。」
ポイント:
- ネガティブな理由は感情を抑えて伝える
- 園や同僚への感謝の言葉を忘れずに添える
円満退職のための引き継ぎのコツ
退職前には、できるだけ円滑に仕事を引き継ぐ準備をしましょう。引き継ぎが丁寧であればあるほど、辞める際の印象は良くなります。
1. 担当している業務をリストアップする
- クラスの子どもの情報(性格、健康状態、家庭環境など)
- 日々のスケジュールや保護者対応のポイント
- 行事や制作の進行状況
2. 引き継ぎノートや資料を作成
口頭では伝えきれない情報を記録しておくことで、後任の保育士の負担を軽減できます。
3. 子どもたちや保護者への対応
退職を伝えるかどうかは園によりますが、可能であれば子どもたちとの別れを丁寧に行うことで、自分自身の心の整理にもつながります。
職員・保護者への退職の挨拶例
職員への挨拶例
「このたび、私事ではありますが、一身上の都合により○月○日をもって退職させていただくこととなりました。年度途中での退職で、ご迷惑をおかけし大変申し訳ございません。短い間ではありましたが、温かくご指導いただき、心より感謝しております。園での経験は私の大きな財産となりました。今後の皆さまのご健康とご活躍をお祈り申し上げます。」
保護者への挨拶例(クラス便りや保護者会などで)
「保護者の皆さまへ
突然のお知らせとなり申し訳ありませんが、このたび一身上の都合により○月○日をもって退職させていただくことになりました。年度途中での退職となり、ご迷惑をおかけすることを大変申し訳なく思っております。短い間でしたが、お子さまの成長を見守ることができ、とても幸せな時間でした。至らぬ点も多かったかと思いますが、温かく見守っていただきありがとうございました。これからもお子さまの健やかな成長を心よりお祈り申し上げます。」
※挨拶は園の方針や保護者対応ルールに従って内容を調整してください。
退職時の事務的な手続き・必要書類
退職日が決まったら、以下のような書類の提出・返却、受け取りが必要になります。
提出が必要な書類
- 退職届または退職願(園指定の書式がある場所もあり)
- 健康保険証(家族分含めて返却)
- 制服・名札・鍵・IDカードなど貸与物
- 引き継ぎ資料・個人メモなど(任意)
受け取る書類(退職後に必要になるもの)
- 雇用保険被保険者証
- 離職票(ハローワークでの失業給付に必要)
- 源泉徴収票(確定申告や次の職場で必要)
- 年金手帳(紛失していなければ返却不要)
- 健康保険被保険者資格喪失証明書
書類の発行や受け取りに時間がかかることもあるため、退職日が近づいたら園に確認し、抜け漏れのないように準備しておきましょう。
もしどうしても退職を言い出せない時は…
「自分が辞めたら迷惑になるのでは……」と感じる方も多いですが、あなた自身の心と身体を守ることは何よりも大切です。
自分を守る選択肢として、弁護士による退職代行という手段があります。
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まとめ|年度途中の退職は“悪”ではない

年度途中での退職はたしかに周囲への影響が大きく、心苦しい選択かもしれません。しかし、それ以上に大切なのは「あなたの心と体」です。
無理をして限界を超えてしまう前に、自分自身の人生を守るための選択をして良いのです。適切な手順と誠意ある対応さえ心がければ、年度途中の退職も決して無責任な行動ではありません。
この記事が、辞めたいと悩むあなたの一歩を支えるきっかけになれば幸いです。