20年のブランクでも大丈夫!保育士が現場復帰するための最新制度&転職支援
Last Updated on 2025年10月14日 by yura

「もう現場を離れてしまったから、今さら保育士には戻れないのでは…」
そんな思いを抱えている方は少なくないでしょう。しかし、保育業界は慢性的な人手不足であり、国や自治体も潜在保育士(有資格だが現場にいない人)の再就職を強く後押ししています。
ブランク20年という長さは確かにハードルですが、制度をうまく使い、準備を整えることで、再び現場へ戻ることは十分可能です。
本記事では、最新の制度・支援策を整理しながら、あなたが復職にあたって知っておくべきポイントやステップを具体的に解説します。

保育士復職を支える制度・支援策の全体像
まず、制度の全体構造を理解しておくと、自分に使えるものが見えてきます。大きくは以下のような支援・制度が存在しています。
支援の種類 | 概要 | 主な対象 | 返還/免除条件など |
---|---|---|---|
就職準備金貸付制度(再就職支援金) | 復職に必要な準備経費(引越し、通勤用具、研修受講など)を無利子貸付 | 潜在保育士として再就職する人 | 通常2年間の勤務で返還免除(自治体による) |
保育料一部貸付(未就学児をもつ保育士向け) | 自身の子どもを預ける保育料の一部を貸付・補助 | 未就学児をもつ潜在保育士 | 2年勤務で返還免除など。月額上限2.7万円程度の自治体もあり |
保育士・保育所支援センターによる再就職支援 | 求人紹介、相談、マッチング、研修開催等 | 資格保有者・潜在保育士 | 無料で利用できることが多い |
このように、復職を金銭的・制度的にサポートする制度が複数あります。ブランクが長くても、それらを組み合わせて使うことで負荷を軽くできます。
主な制度解説:条件・メリット・注意点

以下では、特に利用されやすい制度をいくつかピックアップし、それぞれの条件や利用時の注意点を具体的に示します。
就職準備金貸付制度(再就職支援金)
- 概要
復職にあたって引越し、通勤用具、研修費、被服代などにかかる初期コストを、無利子で貸し付ける制度。通常、復職後一定年数勤務すれば返還免除となるパターン。 - 貸付金額の目安
- 多くの自治体で最大 40万円以内 が多い例。
- 利用要件の例
- 保育所等で週20時間以上勤務予定であること
- 保育士登録後、一定期間経過していること(または資格取得後一定期間)
- 離職期間が1年以上、もしくは勤務経験がない対象者も可(自治体による)
- 免除条件・リスク
- 通常、復職後2年間の勤務継続が返還免除の条件とされる自治体が多い。途中離職等で免除条件を満たさないと返還義務が発生するケースあり。
- 注意点
- 貸付の申請締切・手続き条件は自治体によって異なる。復職が決定した後でないと申請できない、または勤務開始1か月以内までなどの条件の自治体もある。
未就学児をもつ保育士向け保育料貸付制度
- 概要
自分の子どもを預ける際の保育料の一部を貸付・補助する制度。復職の障壁を下げる目的。 - 貸付金額・上限例
月額上限2.7万円(1年間)程度と定める自治体も多い。 - 免除条件
2年間保育実務に従事すれば返還免除という例も。 - 注意点
制度の対象年齢(未就学児)や貸付期間などは自治体によって異なるので、自分の住む市区町村の案内を確認する必要あり。
保育士・保育所支援センターのマッチング・支援制度
- 概要
都道府県または指定都市などに設置されている「保育士・保育所支援センター」が、復職希望者と求人をつなぎ、相談、セミナー実施を行う公的機関。利用料は無料が基本。 - 特長・メリット
- 求人情報を早く知れる可能性
- 条件交渉・マッチングのサポート
- 研修・講座を案内してくれる自治体もあり
- 注意点
- あくまで支援であり、希望条件すべてが通るとは限らない
求人探し・園選びで意識すべき視点
復職(特に長いブランク後)では、求人や園選びの選び方が成功を左右します。以下の点を基準に検討しましょう。
視点 | 内容 | チェックポイント |
---|---|---|
勤務形態・時間 | フルタイム、時短、非常勤・補助からスタートできるか | 週何時間以上、残業・持ち帰りの実態、シフト制の柔軟性 |
サポート体制があるか | 研修制度、OJT体制、先輩フォローなど | 求人票・面接で確認、見学時に現場に質問 |
園の規模・特徴 | 小規模 or 大規模、子どもの年齢構成、保育理念、ICT導入状況など | 自分の体力・支援ニーズに合う園を選ぶ |
待遇・福利厚生 | 各種手当(通勤・住宅補助等)、昇給制度、休暇制度、退職金制度など | 求人票細部を確認、雇用契約書を取り寄せ可能なら事前確認 |
職場環境・人間関係 | 離職率、在職スタッフ年数、職員構成、園長や主任の方針など | 見学時の雰囲気確認、可能なら現場のことを聞く |
選び方に失敗すると、早期離職につながるリスクが高くなるので、「安定して続けやすい園かどうか」を重視することが大切です。

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復帰前にやるべき準備・力を取り戻す方法

制度を使える見込みがあっても、復職後に現場で通用する力をある程度準備しておくことが重要です。特に10年~20年ものブランクがある場合、以下のような対策を意識するとよいでしょう。
体力・身体づくり
- ウォーキング・ストレッチ・軽い筋力トレーニングなど、少しずつ体を動かす習慣をつける
- 保育現場は「立ち仕事」「子どもの動きへの対応」「重い物の持ち運び」など体力を要する場面が多いため、段階的に慣らしておく
- 睡眠・食事・体調管理を見直し、活動に耐える体づくりを意識
基本知識・制度・制度改定を学び直す
- 保育・子育て分野は制度・法律・保育指針などが改定されていることが多い
- 最新の「保育指針」「こども・子育て支援制度」「保育所運営指針」などを学び直す
- 保育関連の講座・研修・セミナーに参加(自治体・支援センターなどで開催されていることがある)
- 書籍や専門誌、保育系サイトで最新トレンド・保育技術をキャッチアップ
ボランティア・実習機会を活用
- ボランティアなどの短時間勤務で現場慣れ機会を確保
- 保育施設の見学を積極的に行い、現場の空気を感じる
心構えとセルフマネジメント
- ブランクをマイナスではなく「人生経験・子育て経験を活かす資産」と捉える
- 小さな一歩(半日勤務、園見学、研修参加など)から始めるというスタンスを持つ
- メンタル面のケア:復帰に対する不安、ストレス管理について自己対策を持つ
ブランクありの潜在保育士さん向けに、履歴書の書き方についての記事も公開していますので、復職の参考になれば幸いです。

まとめ

20年ものブランクがあっても、制度を活用し、戦略的に動けば、保育士として現場に復帰する道は十分にあります。
- 復職支援制度(就職準備金貸付、保育料貸付、保育士支援センターなど)は、あなたを金銭面・マッチング面で支える強力な味方
- 自治体制度は地域差があるため、住んでいる市町村・県の制度を調べて活用可能性をチェック
- ブランクを乗り越えるために、体力づくり・知識更新・現場慣れ準備を段階的に行う
- 求人選びは “ブランク可・復帰支援あり・サポート体制” を重視