子どもが怪我をしてしまった…責任を感じて保育士を辞めたいあなたへ
Last Updated on 2025年6月16日 by yura

保育士という仕事は、子どもたちの成長を間近で支えるやりがいにあふれた職業です。しかし一方で、常に責任や緊張感と隣り合わせでもあります。
特に、子どもが怪我をしてしまったとき。その瞬間、胸が締め付けられるような思いになり、頭の中が真っ白になったという方も多いのではないでしょうか。

私の不注意だったかもしれない…

もう二度と同じことを繰り返したくない…
そう感じるのは、あなたが子どもを大切に思っている証拠です。このページでは、そんなあなたに向けて、辞めるかどうかを決断する前に考えてほしいことや、同じ経験をした保育士の声、今後の選択肢について解説します。

子どもが怪我をした…その時に保育士が感じる「責任」

保育中に起きた怪我は、精神的にショックを受けます。特に以下のような状況では、「自分のせい」と思い込みやすくなります。
自分が見ていた場面で起きた
「自分が目の前で見ていたのに、止められなかった」という気持ちが強く働きます。子どもに対して「守れなかった」という無力感や、自責の念が湧きやすいパターンです。
ほんの一瞬目を離してしまった
保育中は常に複数の子どもが動いており、すべての動きを同時に見続けることは実質不可能です。しかし事故が「目を離した瞬間」に起きると、「自分が見ていなかったからだ」と強く思ってしまいます。「目を離さなければ怪我しなかったのに…」、「集中力が足りなかったのかも」という感情を抱きやすいです。
他の職員から注意を受けた
事故後に他の職員から「もっとこうすればよかった」「その時どこにいたの?」などと注意されると、自分の行動を否定されたように感じてしまいます。本来は再発防止の一環でも、感情的なトーンで言われると「責任を一人で負わされた」と感じやすくなります。「この園に自分の居場所はないのかもしれない」と感じてしまうことも。
保護者対応で責められた
保護者の立場から見れば、大切な子どもが怪我をしたことに怒りや不安を感じるのは当然です。しかし、感情的な言葉や、厳しい叱責を受けることで、保育士は「人として否定された」と感じてしまうことがあります。
保護者対応で心が折れそうになったら
怪我をした子どもの保護者対応は、最も神経を使う瞬間です。
- 理解ある保護者もいれば、厳しく追及する方もいます。
- 園の方針として保育士が直接謝罪対応するケースも多いです。
苦しい思いをしたあなたへ
あなたの誠意が伝わっても、保護者の怒りや不安がすぐに収まるとは限りません。感情をぶつけられることで「自分には向いていない」と思うのは当然の反応です。
しかし、その気持ちは“辞めるべき”というサインではなく、もっと安心して働ける職場環境を求めるべきというサインかもしれません。
保育園の責任体制と“個人の責任”の線引き

保育中の怪我は誰の責任?
基本的に、園での事故や怪我は園(法人)としての管理責任が問われます。個々の保育士の法的責任が直接問われるケースはごくまれです。
- 【重要】園には「安全管理体制」や「事故時対応マニュアル」があるべき
- それに従った行動をしていたかどうか
- 園長や主任からのサポート体制が機能しているか
適切な対応ができていれば責任追及の対象にはなりにくい
大切なのは、「事故後の対応」です。
- 怪我の確認・応急処置
- 園内での報告(事故報告書)
- 保護者への誠意ある説明
- 園全体で再発防止策を検討
この一連の流れを、あなたが一人で抱える必要はありません。
園児が怪我をしたときに保育士がしてはならないこと

怪我を「軽く見て」放置すること
「たいしたことないだろう」「どうせすぐ泣き止むから」などと判断して、処置や報告を怠ってはいけません。自身は「たいした怪我ではない」と判断しても、後に症状が悪化する可能性や、病院案件だったという例もあります。また、園の事故対応マニュアル違反になることがあるので、少しの怪我でも上司や保護者に報告しましょう。
事故の事実を「隠す」「虚偽の報告をする」
怪我の事実を「言わない」「目立たないように処理する」「別の理由を作る」といった行為は、重大な信頼失墜行為です。小さな嘘でも、後で発覚すれば取り返しがつきません。
自己判断で保護者対応を行う(勝手に謝罪・補償の約束をする)
園児に怪我があった場合、保護者への対応は必ず園のルールに従い、園長・主任と連携する必要があります。その場の空気で勝手に「私が全責任を取ります」などと言ってしまうと、園としての対応に支障が出ます。
辞めるか、続けるかを判断する前に考えてほしい3つの視点

今の園のサポート体制は十分か?
- 事故後、園長や主任が一緒に保護者対応してくれたか
- 自分だけに責任を押し付けるような空気がなかったか
- フォローやケアの言葉があったか
サポートのない環境にいることが、あなたを追い詰めている可能性もあります。
職場全体での「事故防止」の改善が図られているか?
- 再発防止のための話し合いがあったか
- 単に「気をつけて」で終わっていないか
- シフトや人員配置に改善があったか
改善が見込めない職場で頑張り続ける必要はありません。
自分自身のケアができているか?
- 十分に休めているか
- 誰かに気持ちを打ち明けたか
- 怪我の場面以外で「子どもと関われてよかった」と思える瞬間があったか
それでも「辞めたい」と思ったら—あなたに合う保育の職場は他にもある
辞めることは逃げではありません。むしろ、自分を守るための適切な選択でもあります。
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転職先 | 向いている人 |
---|---|
小規模保育園 | 少人数の丁寧な保育がしたい人 |
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保育(幼稚園)事務 | 保育園の運営に関わりたい人 |



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まとめ|あなたが悪いわけじゃない、だからこそ次の選択を大切に

「子どもが怪我をしてしまった」、「保育士として取り返しのつかないことをしてしまった気がする」そんなふうに思ってしまうあなたは、きっと誠実で責任感がある人です。
でも、子どもの怪我=あなたがすべて悪い、というわけではありません。
- 園の体制や環境
- サポートの有無
- 再発防止の工夫
- 保護者の理解
こうしたものが整っていない職場で、あなた一人が自分を責める必要はないのです。辞めてもいい。続けてもいい。大事なのは、あなた自身が「自分を守る」視点で考えること。
そして、今のつらさから少しでも抜け出すために、できることから一歩ずつ始めてみませんか?