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【保育士転職】企業主導型保育園で働くメリット・デメリットを元保育士目線で解説

yura
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待機児童問題の深刻化を受け、平成28年度に創設された「企業主導型保育事業」。企業が主導して設置・運営する保育施設を通じて、従業員の多様な働き方に応じた保育サービスを提供するとともに、地域の保育ニーズにも貢献する仕組みです。本記事では、保育士として転職を検討している方向けに、企業主導型保育園の特徴や設置基準、従来の事業所内保育所との違いを踏まえ、メリット・デメリットを元保育士目線で詳しく解説します。

yura(筆者)
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Profile
大学で4年間保育・幼児教育について学んだ後、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。卒業後は保育士として保育園で4年間担任を勤める(1・2・3歳児クラス経験あり)。結婚後は引っ越しを機に、幼稚園事務に転職。現在は時間に融通の利く幼稚園パート(保育補助)として勤務している。

企業主導型保育園とは

企業主導型保育園は、「待機児童対策」と「働き方改革」の一環として、内閣府が所管し創設された保育事業です。企業が設置主体となり、自社の従業員や地域住民の子どもを預かる保育園を作ることで、以下のような課題に対応することが狙いです。

  • 従業員の多様な働き方への対応
    延長保育・夜間保育、土日の一時預かり、短時間・週2日のみ利用など多様な預け方ができる。
  • 地域の待機児童対策への寄与
    地域住民の子どもも受け入れ、地域枠企業枠を分けて運営できるため、認可外ながら地域保育の一翼を担う。

企業主導型保育園の主な特徴

  1. 認可保育所に準じた助成
    認可保育所並みの運営費・整備費助成を受けられるため、質の高い施設整備・運営が可能。
  2. 複数企業による共同設置
    単独企業だけでなく、複数社が合同で保育園を設置・運営でき、規模の経済を活かして利用枠を確保しやすい。
  3. 利用申し込みの簡便さ
    保護者は自治体を通さず、施設に直接申し込む。園が入園可否・運営ルールを定めるため柔軟な対応が可能。

設置基準

企業主導型保育園を開設するには、児童福祉法第59条の2に基づき都道府県知事へ届出が必要です。

項目基準内容
職員配置0歳児:3人につき1名、1・2歳児:6人につき1名、3歳児:20人につき1名、4・5歳児:30人につき1名、+補助1名以上
職員資格保育士が職員数の半数以上。その他は「子育て支援員研修」修了者可
施設設備家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準」準拠。厚生労働省が定める「認可外保育施設指導監督基準」準拠。19人以下は一部基準緩和可
指導監督基準認可外保育施設指導監督基準(衛生管理・保健衛生・安全確保等)
定員20名以上は家庭的保育事業基準43条、19名以下は同基準28条を準用

※上記は主な要件の概要です。具体的には厚生労働省令や地方自治体の条例等を必ず確認してください。

事業所内保育所との違い

「企業主導型保育」と「事業所内保育所」を同じだと思っている方もいるかもしれません。主な違いは以下の通りです。

企業主導型保育園事業所内保育所
対象年齢企業が決める0歳~2歳
対象児従業員の子ども・任意で地域の子ども(1/2まで)従業員の子ども・定員の4分の1程度で地域枠必須
認可要件国や市区町村に許可を求める必要はない一般的に認可保育施設と同じ(市区町村の認可が必要)
補助金内閣府から補助金あり自治体から補助金あり
利用申し込み方法保護者が各施設へ直接申込自治体窓口

事業所内保育所は認可、企業主導型は認可外なのが最大の違いです。

企業主導型保育園で働くメリット

子どもの数が少なく、丁寧な保育ができる

企業主導型保育園は比較的園児の数が少ないので、1人ひとりの子どもにじっくり向き合う保育をしたい保育士には向いています。なかには0〜2歳児中心の小規模施設(定員19人以下)も多いので、乳児の保育を中心に行いたい方にも向いています。

新設園が多く、設備が整っている

企業主導型は制度自体が新しいため、ここ数年で建てられた施設が多く、設備やセキュリティ、ICTシステム(連絡帳アプリなど)も整備されている場合が多いです。

保護者と連携がとりやすい

従業員枠で入園している子どもの場合、会社と保育園が近いことが多いので、急な病気やけがなど緊急時のお迎えにも対応してもらいやすいです。

柔軟な勤務体系に対応できる

企業主導型は、一般的な認可保育園よりも柔軟なシフト対応をしている園が多いので、週3勤務・短時間勤務など、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

企業主導型保育園で働くデメリット

職員配置や業務負担にムラがある

一見「認可並み」とされていても、実際には保育士の数が足りなかったり、認可園より保育士資格をもつ保育者が少なかったりします。

運営の安定性に差がある

企業主導型保育園の運営者はあくまで「企業」であり、保育専門でない企業が運営しているケースもあります。そのため、経営判断で急な閉園や人員削減が起きることもあります。

保育方針が不明確な園もある

保育士の専門性より「企業目線(利益やブランド)」が優先されることもあり、理念や方針が曖昧なまま運営されている園も存在します。また、これまで保育業界経験が無い会社が運営する保育園もあるので、保育の質が低い可能性があることもデメリットの一つです。

勤務時間が不規則になりやすい

企業主導型保育園は、親企業の勤務形態に合わせて早朝・夜間・土日保育などを実施している園もあるので、保育士の勤務シフトもそれに応じて変動的になります。良く言えば「シフトに柔軟性がある」と言えますが、人によっては「勤務時間が不規則」とも言えるでしょう。

企業主導型保育園に向いてる人

柔軟な働き方を求めている人

  • 早番・遅番・土日勤務などに対応できる人
  • 子育てとの両立よりも「保育経験を積みたい」「時短でも働きたい」など、シフトの自由度を重視する人

少人数保育にやりがいを感じる人

  • 0~2歳児を対象にした小規模保育で、丁寧に関わりたい人
  • 個々の発達をじっくり見守りたいタイプの保育士

新しい環境に飛び込むのが苦ではない人

  • 園の立ち上げ・新体制づくりに積極的に関わりたい
  • ルールが未整備でも、自分で整えていく意欲がある

ICT・システム導入に抵抗がない人

  • 連絡帳アプリ、タブレットでの記録などに慣れている/慣れたい人
  • ペーパーレス業務に前向きな人

企業主導型保育園に向いてないかもしれない人

ワークライフバランスを最優先にしたい人

  • 定時で帰りたい、毎週末は休みたいという人には不向きな場合も
  • 不規則シフトが多い園だと、生活リズムの乱れがストレスになることがあります

明確な保育方針のもとで働きたい人

  • 認可園のように「保育所保育指針」に沿った体系的な保育を求めている人
  • 教育理念がしっかり整った環境を好む人

キャリアアップを重視している人

  • 園長・主任などの昇進を目指している場合、ポジションが少ない園も多く、将来設計が描きづらいことがあります。

転職時に見るべきチェックポイント

企業主導型保育園へ転職を検討する際は、以下の点を事前に確認しておくことを強くおすすめします。

  • その園の運営母体(企業の規模、保育業界経験の有無)
  • 助成金を受けているか、施設基準が明確にされているか
  • 保育理念と実際の保育方針の一貫性
  • 保育士比率と支援員の割合(できれば見学時に確認)
  • 職員同士の雰囲気や研修制度の有無
  • 入職前のオリエンテーションや引継ぎ体制
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まとめ

企業主導型保育園は、柔軟な働き方・新しい設備・保育の自由度の高さというメリットを持つ一方で、運営母体の安定性や方針の不透明さといった注意点もあります。

企業主導型保育園が、あなたにとって「安心して働ける職場」「子どもたちの育ちを丁寧に支えられる現場」となるよう、この記事が参考になれば幸いです。

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