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0歳~5歳児クラス別!保育で感じる大変さ&やりがいエピソード集

yura

保育園で過ごす子どもたちは、年齢ごとに発達のスピードや行動パターンが大きく異なります。そのぶん、保育士として向き合う「大変さ」も多様である一方、一人ひとりの“できた!”に立ち会う「やりがい」もまた年齢によって色濃く変化します。年齢別のポイントを押さえて「何が大変なのか」「どこにやりがいがあるのか」を事前に理解しておくことで、余裕をもって保育現場に臨めるはずです。

yura(筆者)
yura(筆者)
Profile
大学で4年間保育・幼児教育について学んだ後、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。卒業後は保育士として保育園で4年間担任を勤める(1・2・3歳児クラス経験あり)。結婚後は引っ越しを機に、幼稚園事務に転職。現在は時間に融通の利く幼稚園パート(保育補助)として勤務している。

0歳児クラス

発達の特徴

  • 粗大運動:寝返り、お座り、ハイハイなど。伝い歩きから自力歩行。
  • 微細運動:把握反射から指先を使ったつまみ取りへと移行。
  • 言語・コミュニケーション:喃語、指差し
  • 認知・感覚:対象恒常性(隠したおもちゃを探す)、因果関係の理解(ボタンを押すと音が鳴る)。
  • 社会・情緒:見知らぬ人への不安、母親の表情に反応して笑顔や泣き声を使い分ける。
  • 生活自立:ミルク、離乳食、一人での離乳食摂取開始、マグを持って飲む練習。

大変さのエピソード

0歳児クラスは“寝返り”“はいはい”から“つかまり立ち”へと発達のスピードが目覚ましく、ひとりひとりのタイミングが異なります。ある日、Aちゃんが午前のおやつ直後に急にぐずり出し、慌てて抱っこしてあやしても泣き止みませんでした。午前睡の時間管理がいつもよりずれ込んだうえ、結果として3人分の午睡サポートとミルク交換を同時並行で行うことに。体力だけでなく、常に注意を払い続けるので神経も消耗します。

やりがいのエピソード

Aちゃんが、その日の保育の終わり頃、はじめてわたしの顔を見てにっこりと手を伸ばしてくれた瞬間が忘れられません。「安心できる人」を見つけたような笑顔を見ると、抱っこして諦めずにサポートしてきてよかったと心から思えます。

1歳児クラス

発達の特徴

  • 粗大運動:自力歩行、走る・階段昇降の補助。
  • 微細運動:絵本をめくる、手渡されたものを手渡しで返す。
  • 言語・コミュニケーション:単語発話の増加、言葉の意味を理解。
  • 認知・感覚:絵本のページをめくる、簡単な指示(「ボールを取って」)を理解して行動、簡単なパズル(2~3ピース)の完成。
  • 社会・情緒:自己主張(「イヤイヤ期」始まり)、他児との並行遊び。
  • 生活自立:スプーン食べでの練習。

大変さのエピソード

1歳児クラスはまだ言葉でうまく説明できないので、相手に自分の気持ちが上手く伝わらない葛藤があります。Bくんは、クラスで遊んでいるときに友達に玩具を取られたり、不満が伝わらないと相手に噛みつくことがあります。保育者はBくんが嚙みつかないよう常に目を離さないようにしたり、噛みついてしまったときは噛みつかれた子の保護者に謝罪したり、クラス担任でBくんへの対応を考えたり…。噛みつきが連日続くと、さすがに落ち込みましたが

やりがいのエピソード

ある日の戸外遊びで、Bくんがはじめて絵本の歌を真似しながら歩いて披露してくれたことがありました。「おさんぽ、チョンチョン」とリズムをつけて歓声を上げる姿を見て、言葉の発達サポートに関わる楽しさを実感。子どもの“小さな成功体験”を共有できる瞬間が、次の保育計画へのモチベーションにもつながります

2歳児クラス

発達の特徴

  • 粗大運動:自力で階段昇降、ジャンプの動作(両足で跳ねる)
  • 微細運動:ボタンのはめ外し、クレヨンで丸を描く。
  • 言語・コミュニケーション:語彙50語以上、自己紹介的発話。
  • 認知・感覚:模倣遊び(おままごと)、簡単なパズルの完成。
  • 社会・情緒:自己主張の強さピーク、共有や順番待ちの練習開始。
  • 生活自立:着替えの練習、トイレトレーニングの導入。

大変さのエピソード

「イヤイヤ期」がピークを迎えるのが2歳児クラスです。Cちゃんは着替えを嫌がり、着替えの時間に床をバタバタと踏み鳴らし、床に寝転んで大泣き。保育者も根気強く対応方法を変えながら試行錯誤しますが、結局着替えずに午睡へ。イヤイヤ期の気持ちに寄り添い続けるのは精神的にも消耗しました。

やりがいのエピソード

ある日、Cちゃんが、「先生、できた!」と自分でズボンを履いたときの誇らしげな表情は、何にも代えがたい瞬間です。イヤイヤを乗り越えて自立の一歩を踏み出す姿に立ち会うことは、保育士としての醍醐味。小さな“自分でやりたい”という気持ちを支えることが、長い目で見た成長支援につながります。

3歳児クラス(年少クラス)

発達の特徴

  • 粗大運動:片足立ち(数秒)、ボール投げ・キャッチの動作を楽しむ。
  • 微細運動:はさみの練習開始、絵を詳しく描く(人の顔に手足)
  • 言語・コミュニケーション:質問形式の会話(「何してるの?」など)、物語を語る能力。
  • 認知・感覚:数字・文字への興味、見立て遊び・ごっこ遊びの発展、ルールのあるゲームへの興味。
  • 社会・情緒:仲間同士のごっこ遊び(協調プレイ)、友だち同士のトラブル解決の初期学習。
  • 生活自立:トイレの自立、簡単な手洗い・歯磨きの補助不要に。

大変さのエピソード

3歳児は言語と協調性が高まる一方で、集団活動のルール遵守が難しいケースが増えます。Dくんはみんなでブロック遊びの際、自分の思い通りにいかないと泣き、ほかの子を叩くなどすることがありました。対応としては、まずDくんの気持ちを受け止めたうえで、「おもちゃは友達と一緒に使うこと」「人の作品を壊さないこと」などルールを繰り返し根気強く教えなければなりません。時にはクラスのルールが分かるよう、保育者が絵に描いて説明することもありました。

やりがいのエピソード

Dくんが「これどうぞ」と自分から友達に譲る姿が見られるようになりました。きちんとルールを理解して友だちと遊べたことを褒めると、Dくんも誇らしげです。その姿を見て「教え続けてよかった」と胸が熱くなりました。子どもたち同士の関係構築をサポートし、集団行動の楽しさを引き出せた瞬間は、大きなやりがいとして残ります。

4歳児クラス(年中クラス)

発達の特徴

  • 粗大運動:スキップ、平均台でのバランス。
  • 微細運動:絵を詳しく描く、複雑な形のパズル組み立て。
  • 言語・コミュニケーション:過去・未来形の使用、状況説明。
  • 認知・感覚:簡単な数の概念、色分けや分類が可能に。
  • 社会・情緒:自己主張と他者尊重のバランス学習、チームでの協力活動への参加。
  • 生活自立:衣服の着脱・ボタン留め、基本的な身支度は自力で。

大変さのエピソード

4歳児は表現力や想像力が豊かになる反面、感情表現が強烈になることも。Eちゃんは劇遊び中に、自分が主役になりたいあまり何度も演出を変えようとしてほかの子と口論に。保育者が仲裁に入ると、自分のアイデアが尊重されないと感じた子どもたちが不満を露わにすることも。

やりがいのエピソード

しかし翌週、Eちゃんが自発的にセリフを書き直し、他の児童に「ここはどう?」「いいね!」と声をかけながらリーダーシップを発揮。発表会では、堂々と台詞を言い切ったEちゃんの姿を見て感動しました。子ども一人ひとりの主体性を尊重し、創造性を引き出せるのが4歳児担任の魅力です。

5歳児クラス(年長クラス)

発達の特徴

  • 粗大運動:片足で10秒以上立つ、縄跳び、球技(キャッチボール)の習熟。
  • 微細運動:文字の模写・簡単なひらがなの読書き、人型の絵に衣服や表情を描き込む。
  • 言語・コミュニケーション:因果関係や理由を説明、絵本の筋を再現して語る能力。
  • 認知・感覚:時計や簡単な時間概念の理解、数の合成・分解(5=2+3など)。
  • 社会・情緒:仲間意識の高まりとルール遵守意欲、リーダーシップや役割分担の学習。
  • 生活自立:食事・トイレ・身支度の完全自立、時間を意識して行動。

大変さのエピソード

就学前の5歳児は“最後の園生活”という意識が強く、行事や卒園関係の準備が怒涛のように押し寄せます。書類作成、季節ごとの行事準備、小学校とのやりとり、小学校に向けての保育計画などを同時並行で進めつつ、卒園式前には卒園式リハーサル、謝恩会役員との打ち合わせにも出席。子どもや保護者によっては、就学への不安を感じることもあるので、相談に乗ることもあります。

やりがいのエピソード

それでも、卒園式当日、子どもたちが「先生、ありがとう!」と大きな声でハグしてくれた瞬間、苦労が報われた気がしました。5歳児の「最後の一歩」を支え、子どもたちと保護者の“区切りの瞬間”に立ち会うことは、保育士として最も感動的で、かつ責任重大なやりがいです。

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まとめ

保育園の0歳~5歳児クラスには、年齢ごとに異なる「大変さ」と「やりがい」があります。

どのクラスも、子ども一人ひとりの「できた!」に寄り添い、次の成長への橋渡しをするのが保育士の役割です。大変さを乗り越えた先にある、かけがえのないやりがいがあなたを待っています。新しい環境で不安も多いかと思いますが、ぜひこのエピソード集を参考に、喜びと成長を感じながら保育に取り組んでみてください。

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