保育士の転職でよくある失敗5選|後悔しないためのチェックポイントとは?

「今の職場の人間関係が限界…」

「家庭との両立をしたい」
そんな思いで転職したのに、「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまう保育士さんが少なくありません。転職そのものは悪いことではありませんが、選び方や準備を間違えると、同じ悩みを繰り返してしまう可能性もあります。
この記事では、保育士の転職でよくある失敗パターンを5つご紹介し、後悔しないためのチェックポイントも解説します。これから転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

よくある転職失敗例5選

条件だけで選んでしまい、園の雰囲気が合わなかった
ありがちなケース:
「家から近い」「給料が高い」「土日休み」といった表面的な条件だけで選んだ結果、実際に働いてみたら…
- 職員同士の人間関係がピリピリしている
- 子どもへの対応が厳しすぎる
- 方針が合わず、自分の保育観が否定される
というギャップに苦しむケースが多いです。
✅チェックポイント:
- 面接だけでなく必ず園見学を行うこと
- 園児や職員の表情、保育中の雰囲気を観察
- 園の理念・保育方針が自分の考えと近いかを確認

転職の理由をあいまいにしたまま選んでしまった
「とにかく今の職場がイヤだから…」という気持ちだけで動くと、また似たような園を選んでしまう危険があります。理由が明確でないと、「本当に自分が求めている働き方」が見えてきません。
✅チェックポイント:
- 転職理由を紙に書き出し、「何がイヤだったか」「何を変えたいか」を明確にする
- 「仕事内容」「人間関係」「勤務体制」「通勤」などに分けて整理
- 求人を探す際は、改善したい点が満たされているかどうかを軸にする
情報収集が不足していた(口コミや評判を見ていなかった)
「保育士募集」と書いてある求人票を見て、園名も知らないまま応募してしまう方もいますが、それは大きなリスクです。職員の定着率が極端に低い園や、ブラックな働き方を強いられる園も存在します。
✅チェックポイント:
- 転職サイトをチェック
- SNSやGoogleのクチコミも参考に
- 面接や見学時に離職率や1年目の定着率などを質問するのもOK
転職活動をよりスムーズに進めたい方には、専任のキャリアコンサルタントが丁寧にサポートしてくれる「レバウェル保育士」がおすすめです。
無料登録後は非公開求人の紹介や条件交渉、見学日程の調整もお任せ。また、事前に職場の雰囲気や評判も確認可能です。まずは公式サイトで詳細をチェックしてみてください。

面接で“いい顔”をしすぎて本音が言えなかった
「どうして前の園を辞めたの?」「残業は大丈夫ですか?」といった質問に対して、無理をして前向きに答えすぎてしまうと、入職後にミスマッチが起きやすくなります。
✅チェックポイント:
- 正直に話すことを恐れない(例:「家庭と両立したいので時短勤務を希望しています」)
- 「できないこと」「希望条件」は明確に伝える
- 自分がどう働きたいかを言葉にしておく(面接練習もおすすめ)
焦ってすぐに決めてしまった(退職直後の即決転職)
「次を決めずに退職してしまった」「収入がないと不安だから…」という理由で、十分に比較せずに転職先を決定するケースも多いです。結果、「また転職…」という悪循環に陥ることも。
✅チェックポイント:
- できれば在職中に転職活動を開始しておく
- 比較検討するために2園以上は見学・応募する
- 「今すぐ決めなきゃ」という焦りが出てきたときほど、一度立ち止まる勇気を持つ

転職がゴールではなく、むしろ転職してからがスタートです。転職先は慎重に選びましょう。
【転職失敗談】理想の働き方を求めたはずが…

※筆者が聞いた体験談です
ケース①:条件と雰囲気で「なんとなく」選んでしまった
私は保育士として5年目、乳児クラスの担任をしていました。子どもたちと関わるのは大好きでしたが、毎日仕事に追われて、自分の理想の保育からはどんどん離れているように感じていました。月に1度の行事の準備、延長保育の対応、サービス残業…。「このままじゃ、体がもたない」と思い、転職を決意しました。
私は「もっとゆったりした園で働きたい」という想いから、小規模園や企業主導型保育園を中心に探しました。すると、ある園の求人票が目に留まりました。
- 定員19名の小規模園
- 週休2日・残業ほぼなし
- 自宅から徒歩15分
園見学はできませんでしたが、ホームページの写真が和やかで、面接でも園長先生が優しかったので、「ここならきっと大丈夫」と直感で決めてしまいました。
しかし、入職後から実質的に1人担任の時間帯が多い。慣らし保育中の子どもが泣いても誰も手伝ってくれず、「前の園より孤独だな…」と感じました。
さらに驚いたのは、“残業ほぼなし”と聞いていたのに、毎日持ち帰り仕事が当たり前だったこと。保護者対応も1人で背負う形になり、心身の疲れが一気にぶり返してきました。
「これなら前の園の方がマシだったかもしれない…」と、本気で思いました。
教訓:もっと吟味して転職先を決めるべきだった
- 実際の雰囲気がわからないまま入職してしまった
- 「残業ほぼなし」は本当か?→園の業務量を確認(行事はどのくらいの規模で行っているか、ICTシステムを導入しているかなど)。
ケース②:「制度」はあっても「雰囲気」が冷たかった
産休・育休を経て、「そろそろ仕事に復帰したい」と思い、子育てと両立しやすい園を探しました。
私の希望は、
- 早番固定 or 時短勤務
- 残業が少なく、持ち帰り仕事がない
- 子どもの体調不良にも理解がある職場
運よく「残業なし・時短OK・子育てママ歓迎」と書かれた園を見つけ、面接でも「急なお休みも対応できますよ」と言っていただけたので、安心して入職を決めました。
実際に働いてみると、確かに制度としては時短勤務が適用されましたが、実際は「時短の人は周囲に気を使って当然」という雰囲気。子どもが発熱で早退しなければならなくなったとき、「また?最近、早退多くない?」「行事前だから、ちょっと空気読んでよ」と言われました。申し訳なさと情けなさで、泣きそうになりながら職員室を後にしました。
結局、家庭に負担をかけながらも無理して働き続けることに。「子どもが小さいうちは、働くのは無理だったのかな…」と、自信を失いました。
教訓:制度だけでなく「周囲の理解度」まで見極めるべきだった
- 「ママ歓迎」は本当か?→他にも子育て中の職員はいたか?
- 面接時に「どんなサポートがありますか?」と掘り下げて聞くべきだった
- 自分の条件だけでなく、“現場の空気感”を確認することが大切
ケース③:優しそうだったのは“表面”だけだった
1つ目の園は、ベテランの先生が絶対的な存在で、若手は意見も言えず連携も取れず。心をすり減らし「次こそは人間関係の良い園に行きたい」と思って転職を決意。
求人票には【チームワーク重視】【20代・30代活躍中】【アットホームな職場】と書かれていて、「ここなら大丈夫!」と感じ、即応募しました。
入職初日は、確かに皆さん笑顔で迎えてくれて安心しました。しかし、実際の業務が始まると、だんだん雰囲気が変わっていきました。
- 新人にはまともな引き継ぎもなし
- 小さなミスでも影でヒソヒソ…
- 一部の職員だけでランチ、雑談、情報共有
いわゆる「仲良しグループ」が支配する“閉じた空気”のある職場だったのです。表面上はにこやかだけど内心は常に気を張っていて、家に帰ると毎日どっと疲れていました。
教訓:「人間関係が良い」とは、仲良しではなく“信頼と協力がある”こと
- 面接や見学で「どうやって新人をフォローしていますか?」と質問すればよかった
- 園見学時に職員の会話・態度・連携の様子をもっと注意深く見るべきだった
- 「アットホーム=働きやすい」ではないと身をもって学んだ
後悔しない転職をするために|5つの行動ポイント

行動 | 内容 |
---|---|
自己分析をする | 自分の保育観・得意不得意・譲れない条件を明確に |
情報収集を徹底する | 園のHP・口コミ・見学・転職サイトを活用 |
条件だけで判断しない | 雰囲気・価値観・人間関係も重視 |
面接で本音を伝える | 嘘をつかず「働き方の希望」を伝える |
比較してから決める | 1つに即決せず、候補を並べて検討する |

私個人の考えですが、求人票や面接だけでは分からない雰囲気を知るために、園見学は行った方がいいと思います。
転職に“失敗”しても大丈夫|キャリアはやり直せる
もし転職後に「失敗したかも…」と思っても、それは自分を見つめ直すチャンスでもあります。保育士は専門職でありながら、働ける場所の選択肢がとても広いのが魅力です。
- 小規模保育園
- 企業内保育
- 院内保育所
- 放課後等デイサービス
- 保育士資格を活かした事務職・相談員 など
「転職を繰り返したら不利では?」と不安になるかもしれませんが、理由が明確で、経験を前向きに語ることができれば大きな問題にはなりません。



まとめ|「失敗を防ぐ準備」が転職成功のカギ

保育士の転職で失敗するケースは決して珍しくありません。ですが、事前に情報を集め、自分の働き方を明確にすることで、リスクは大きく減らせます。
転職はゴールではなく、自分に合った働き方に近づくための“手段”です。
焦らず、比べて、見極めて、「ここでなら笑顔で働けそう」と思える園を選んでください。