保育士の年収を上げるには?転職・キャリアアップ・副業の方法&注意点
Last Updated on 2025年7月21日 by yura

「保育士は給料が安い…」これは保育現場でよく聞かれる悩みの一つです。しかし、実は、働き方やスキルアップの工夫次第で、収入を増やす道はしっかり存在します。
この記事では、保育士の年収アップを目指すための具体的な方法を、「転職」、「キャリアアップ」、「副業」の3つの視点で解説していきます。

転職で保育士の年収を上げる方法
最も現実的で効果が早く出やすいのが「転職による年収アップ」です。
公立保育園への転職で年収UP
公立保育園(市区町村が運営)で働く保育士は公務員として扱われるため、以下のような待遇面が魅力です。
公立保育園
- 給与:地方公務員としての給与体系が適用され、安定した昇給制度があります。
- 賞与:年2回(地域による)の賞与が支給され、金額も安定しています。
- 福利厚生:健康保険、厚生年金、退職金制度など、公務員としての福利厚生が充実しています。
公立園(常勤)の平均月収・年収
職種・役職 | 1人あたり給与月額(賞与込み) |
---|---|
施設長 | 63.2万円 |
主任 | 56.1万円 |
保育士 | 30.3万円 |
私立園(常勤)の平均月収・年収
職種・役職 | 1人あたり給与月額(賞与込み) |
---|---|
施設長 | 56.5万円 |
主任 | 42.2万円 |
保育士 | 30.1万円 |
一般保育士の給与は公私で差がほとんどありませんが、役職につけば公立のほうが昇給幅が大きく、主任以上は大きく差が出ます。キャリアアップ戦略としては、「主任」「園長」などの役職を目指す際、公立保育園は特に有効です。
企業主導型・事業所内保育所は狙い目
近年注目されているのが、「企業主導型保育園」や「事業所内保育所」です。これらの施設は企業が主体となって運営しており、比較的高めの給与設定がされていることもあります。
- 月給23万〜27万円スタートの求人も存在
- 残業が少なく、勤務時間も安定している場合が多い
- 職員数に余裕がある園が多く、環境的に働きやすい
特に大手企業が運営する保育所では、福利厚生も含めて高水準な待遇が用意されていることがあります。

私も企業が運営する保育所に勤めていましたが、上層部が保育を「やりがい」ではなく「ビジネス」として見てくれるので、待遇面や福利厚生も整っていると感じました。
「企業主導型保育園」と「事業所内保育所」については以下の記事で解説しています。


転職エージェントを活用する
給与条件の良い非公開求人や、園の内情に詳しい転職サポートを受けられるため、転職エージェントの利用も有効です。おすすめは「レバウェル保育士」です。
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転職のタイミングや条件交渉も代行してくれるため、自分一人では見つけられない高待遇の園に出会えるチャンスが広がります。

キャリアアップで年収を上げる方法

「保育士資格」は国家資格ですが、それ以外にもキャリアアップすることで給与に反映される・転職時の強みにできる資格や研修があります。
幼稚園教諭免許状(併用で強みに)
保育士と幼稚園教諭の両方の資格を持っていると、「認定こども園」での就職で優遇されることがあります。また、一部の園では給与にも反映されるケースもあります。
保育士向けの管理職・リーダー研修を受ける
前述したとおり、キャリアアップすることで昇給が期待できます。
- 主任保育士や副園長へのキャリアアップ
- 加算制度によって役職手当がつく園もある
リーダー職になることで月3万円〜5万円の役職手当がつく場合もあるため、園内での昇格を目指すなら研修・資格受講も積極的に行いましょう。
副業で収入を増やす方法

現在は副業が一般化しつつあり、保育士でも働き方次第で副収入を得ることが可能です。ただし、勤務先の就業規則を確認し、規定に反しない形で行うことが前提です。(公立園は副業禁止・私立園は就業規則による)
ベビーシッター・一時保育の登録
- 平日の早朝・夜間、休日に依頼が入りやすい
- 1回あたり3000〜6000円の報酬も可能
保育士資格を活かしながら、スキマ時間を有効活用できます。登録制のシッターサービスや地域のマッチングアプリを活用すると便利です。
子育て・保育に関するライター活動
- クラウドワークスやランサーズなどで「保育士経験者募集」の案件あり
- 保育系ブログやメディアに寄稿する仕事も増加中
- 1記事3000〜8000円程度の報酬
文章を書くのが得意な方は、自分の保育経験を記事として収入に変えることも可能です。
ハンドメイドやイラスト販売
保育士には「制作が得意」という方も多いです。そのスキルを活かして、以下のような副業も選択肢になります。
- minneやBASEで制作物の販売
- LINEスタンプ・イラスト素材の販売
- 知育玩具や装飾品の受注制作
趣味を収入に変えることができ、やりがいも感じやすい副業です。
保育士が副業をする際の注意点


もし副業を考えている方がいれば、長文ですが以下の注意点に気を付けてください。
年間20万円を超える副業収入には確定申告が必要
- 副業が給与所得以外(例:ベビーシッター報酬、ライター報酬、物販など)の場合、年間の所得(収入−経費)が20万円を超えると確定申告が必要です。
- 例えば、月に2万円ずつ副収入があると、12ヶ月で24万円となるため対象になります。
所得税だけでなく住民税にも注意
- 副業で収入があると、その分住民税が増加します。
- 本業の給与にかかる住民税に加えて、副業分の住民税が合算されるため、勤務先に副業がバレる可能性があります。
社会保険の取り扱い:正社員の場合
正社員の場合
- 週30時間以上勤務する正社員は、健康保険・厚生年金に本業で加入していれば、副業先での加入は不要。
- ただし、副業が「別の会社で週20時間以上」などの条件に該当すると、副業先でも保険加入義務が発生する可能性あり(いわゆる「ダブルワーク厚生年金」)。
パート・アルバイトの場合
- 勤務時間が少なく社会保険に未加入の場合でも、複数の仕事を掛け持ちして収入が年間130万円を超えると、扶養を外れて国民健康保険+国民年金の支払いが必要になります。
- 特に夫の扶養に入っている場合、扶養から外れるタイミングを見誤ると負担が急増します。
❗チェックポイント:
- 年間の収入見込みが130万円を超えるか?
- 健康保険の被扶養者の条件を満たしているか?
勤務先の就業規則の確認
- 副業OKの園も増えてはいますが、まだまだ禁止・制限されている職場も多いです。
- 特に「保育士としての信用」や「勤務時間外での事故・トラブル」が懸念されやすい職種のため、慎重な行動が必要です。
✅ 対応例:
- 勤務先の就業規則で副業の可否を確認する
- やむを得ず行う場合は、勤務時間外・園と競合しない内容に限定する
本業がフルタイム勤務の場合:副業の稼働時間に注意
労働基準法では、「複数の事業所で働く場合、労働時間は通算して扱われる」とされています。
例:
- 本業で1日8時間×週5日勤務(週40時間)
- 副業でさらに週15時間働く
→ 合計55時間/週となり、法定労働時間(週40時間)を超過します。
この場合、副業先での超過分は「時間外労働」として扱われ、割増賃金の支払いが本来必要になります。もっとも、実務上では副業側が「個人事業扱い(業務委託)」の場合、適用外となるケースもありますが、労働者保護の観点からはグレーゾーンです。
年収UPのために注意すべきこと
年収だけで職場を選ばない
いくら給与が高くても、人間関係や残業、休日出勤が多いと心身に負担がかかります。「年収と職場環境のバランス」は非常に重要です。
税金・社会保険への理解も大事
副業で収入が増えた場合、税金や確定申告が必要になるケースもあります。事前に基礎知識をつけておくことで、トラブルを避けられます。
まとめ|年収アップは「工夫と行動」で実現できる

保育士は「年収が低い」と言われがちですが、それはあくまで平均の話です。実際には、以下のような行動で収入を上げている方も多くいます。
- 高待遇の園へ転職する
- 役職やスキルアップで昇給を目指す
- 副業で収入の柱を増やす
大切なのは、「年収が低い」と嘆くだけでなく、「どうすれば収入が上がるか?」を前向きに考えることです。
もし「今のままでは将来が不安」と感じているなら、まずは転職サイトやエージェントに相談してみるのも一つの手です。無料でキャリア相談に乗ってくれるので、今の自分にとってベストな道が見えてくるかもしれません。