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保育士の休憩時間がとれない理由|不満を感じるあなたへ知ってほしい現実と選択肢

yura
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Last Updated on 2025年6月11日 by yura

「朝から夕方までほとんど座る暇もない…」

「トイレに行く時間さえまともにとれない」

保育士として働く中で、こんなふうに感じたことはありませんか?法律上は「休憩1時間」が与えられるはずなのに、現場ではその休憩がまるで“存在しない”かのように扱われていることがあります。
この記事では、なぜ保育士が休憩を取れないのか、その背景にある構造的な問題や現実、そしてそれに対する具体的な選択肢を解説します。

yura(筆者)
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Profile
大学で4年間保育・幼児教育について学んだ後、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。卒業後は保育園で保育士として4年間勤める(1・2・3歳児クラス経験あり)。結婚後は、幼稚園事務に転職。現在は時間に融通の利く幼稚園パート(保育補助)として勤務している。

保育士の「休憩がとれない」現状とは?

厚生労働省の調査やSNS、口コミでも多くの保育士が「休憩が取れない」と訴えています。特に以下のような声が多く見られます。

  • 「子どもが寝てる時間=休憩」と言われるが、実際は連絡帳や書類作業、保育準備で終わる
  • トイレに行くタイミングがなく、体調を崩した

実態としては、「形式上の休憩時間」があるだけで、身体も心も休まらない「名ばかりの休憩」になってしまっているのです。

保育士が休憩をとれない5つの理由

保育士配置基準がギリギリ

日本の保育士配置基準は2024年度から一部改正されたとはいえ、国際的に見てもかなり厳しい水準です。休憩をとる余裕などなく、1人欠けるだけで運営がままならなくなる園も少なくありません。

実際には「休憩中でも園児に何かあれば戻って対応」するのが現場の常識。

子どもたちの見守りが最優先

保育士の最も大きな使命は、「子どもたちの命と安全を守ること」です。そのため、常に目を離さず、即対応できる状態を保つことが求められます

たとえば、園庭での自由遊びや散歩中でも、怪我や事故を未然に防ぐために神経を使い続ける必要があるため、一人でも保育から抜けられない状況というのが現実。結果として、「交代で休憩に入る」という簡単なローテーションすら組みにくい現実があります。

午睡中も見守り業務、書類業務があるから

「午睡中=保育士の休憩時間」と見なされがちですが、実際にはそうではありません。
午睡中も、子どもの呼吸チェック・体位の調整・発熱の兆候の確認など、緊張感を持った見守り業務が続きます。

また同じ時間に、日誌や連絡帳の記入、制作準備、玩具の消毒などの裏方作業を求められることもあり、身体も頭も決して休まりません。

yura(筆者)
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子どもが寝ている間に終わらせないと、結局残業や持ち帰り仕事になってしまうので、午睡中も業務を進めます。

園による管理意識の低さ

「休憩はちゃんと取らせる」と言いつつ、実態管理はなし。園長や主任など管理職が職員の休憩取得を実質無視しているケースもあります。

本来、休憩時間は労働基準法第34条で「自由利用できる時間」と定められています。しかし現場では、「仕事の延長線上」であると見なされがちです。

休憩を取ることへの“罪悪感”

「忙しいのに私だけ抜けていいのかな…」「同僚に迷惑がかかるかも」
そう感じてしまう優しい保育士ほど、休憩を取れず、無意識に心身をすり減らしていることがあります。真面目で責任感の強い人ほど、自分を後回しにしてしまうのです。

休憩がとれないことで起こるリスクとは?

休憩が取れない状態が続くと、以下のような深刻な問題が発生します。

  • 慢性的な疲労・倦怠感
  • 判断力の低下による保育事故リスク
  • 体調不良(膀胱炎・胃腸障害など)
  • メンタルヘルスの悪化・燃え尽き症候群

保育士は命を預かる仕事。その大切な役割を果たすには、まず自分の心身の健康が不可欠です。

「改善したい」なら知ってほしい3つの選択肢

園内で上司に相談する

まずは園長や主任に、客観的に状況を伝えることが大切です。

  • 書類に追われて休憩が取れていない
  • トイレのタイミングすら取れない日が多い

など、感情的にならず事実ベースで訴えると、改善される可能性があります。

ただし、管理側の意識が低い園では、逆に「不満分子」と見なされてしまうことも…

園全体で仕組みを見直す

職員間で共通認識を持ち、ローテーションで休憩時間を確保する運用など、業務フローの見直しが必要です。

  • お昼休みを前後半に分けて必ず休憩する
  • 書類作業は別時間に集中して行う仕組みにする

などの対応が取れれば、負担はかなり軽減されます。

yura(筆者)
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私が勤めていた園でも「職員の休憩時間を確保しよう」という意識が高まり、職員の休憩室が作られてからは交代で休憩時間を取るようになりました。

環境を変える=転職という選択肢

園内改善が見込めない、もしくはすでに限界を感じているなら、環境を変えることも立派な自己防衛です。今は「保育士不足」が深刻化しており、労働環境の整った保育園も増えています。
たとえば…

  • 休憩が完全に取れるようにシフト体制が工夫されている園
  • 持ち帰り仕事ゼロ書類分業制を採用している法人運営園
  • 中堅保育士のメンタルケアや人間関係サポートを重視する園

など、探せば選択肢はあります。

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保育士の休憩を回すために必要な対策

保育士同士の声かけ・協力体制の強化

  • 「今休憩いってきていいよ」と声かけが自然にできる雰囲気
  • 「支え合い文化」を構築

ポイント:休憩を「取る側」だけでなく、「取らせる側」の意識が重要です。

各クラスのカバー体制を構築する

他クラスの職員が状況に応じて柔軟にカバーできる仕組みがあると、休憩取得率が劇的に向上します。

例:

  • 年長クラスの職員が一時的に年少クラスをサポートする
  • フリーの先生が全クラスの状況を把握し、随時補佐に入る

「園全体で保育する意識」に切り替えることが鍵です。

ICTの導入によって業務を効率化

日誌記録や連絡帳、午睡チェックなどを紙ベースで行っている園では、書類業務に多くの時間を取られています。保育ICTを導入することで業務時間を圧縮し、休憩時間を確保しやすくなります。

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休憩取得の実績を可視化・管理

  • 園長や主任が日ごとに誰が何分休憩できたかを記録
  • 「今週はA先生だけ休めていない」と把握できる体制を作る

ポイント:主観で「取れてるつもり」をなくし、客観的データで管理する園運営が求められます。

「休憩は権利」という認識の共有

  • 労基法に則った説明を研修で行う
  • 保育士自身も「休憩を取ることは自分を守る行為」と認識する

ポイント:「子ども第一=自分を犠牲にする」ではなく、自分の健康が子どもを守るという思考への転換が必要です。

まとめ|あなたの「働きやすさ」は守る価値がある

保育士が休憩をとれないのは、あなたの甘えでも、我慢が足りないからでもありません。
制度の未整備、職場の意識、文化の問題――つまり「環境要因」です。

まずは自分の健康と人生を大事にしてください。必要なら、環境を変えるという選択肢も十分に正当な行動です。

どうか無理をせず、あなたが本当に安心して働ける職場と出会えますように。

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