保育士の時給って安すぎ?正社員・パート・派遣の時給相場を比較してみた

「保育士って、責任が重いのに時給が安すぎるのでは?」
そんな声が全国から聞こえてきます。
この記事では、保育士の雇用形態別(パート・派遣・正社員)の時給相場を徹底比較ます。転職や就職活動を考えている方、自分の待遇が適正かを見直したい方は、ぜひご一読ください。

保育士の平均時給はどれくらい?

正社員の時給相場
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、正社員の月収は277,200円で、1日8時間、1ヵ月21日勤務で計算すると約1,650円になります。(勤務年数・地域差あり)
これはあくまで「平均」です。「中央値」として考えると、もう少し低い金額となるでしょう。
正社員のメリット・デメリット
- メリット: 福利厚生・ボーナス・安定性あり。園運営にも関われるのでやりがいを感じやすい。
- デメリット: 残業・行事準備・持ち帰り業務が多い傾向。時給換算するとパート・派遣より低くなる場合も。
パート保育士の時給相場
パート・アルバイトの平均時給は約900円台~1,300円程度です(地域差あり)。
パート保育士のメリット・デメリット
- メリット: シフトの自由度が高く、子育てや副業との両立がしやすい。短時間勤務が可能。
- デメリット: 時給が低めで、昇給や賞与がない園も多い。待遇に差があることも。
派遣保育士の時給相場
派遣保育士の平均時給は約1,100~1,600円程度です(地域差あり)。
派遣保育士のメリット・デメリット
- メリット: 時給が高く、週5フルタイムでも正社員より高収入になる場合あり。苦手な園からは契約更新で離れやすい。
- デメリット: 雇用が不安定。社会保険の加入や交通費支給の有無は派遣会社次第。園内での立場が弱くなりやすい。
雇用形態 | 平均時給 | 備考 |
---|---|---|
正社員保育士 | 約1,650円 | 月給約23~27万円程度で、残業代が含まれることも |
パート保育士 | 約900円台~1,300円程度 | 地域差が大きく、最低賃金ギリギリのケースもあり |
派遣保育士 | 約1,100円~1,600円程度 | 時給は高めだが、交通費・福利厚生は派遣元による |
地域別の時給相場の違い(2023年時点)
都道府県別 保育士の平均時給(正社員・パート・派遣)
都道府県 | 正社員(時給換算) | パート | 派遣 |
---|---|---|---|
東京都 | 約1,500円 | 約1,300円 | 約1,600円 |
神奈川県 | 約1,450円 | 約1,250円 | 約1,550円 |
埼玉県 | 約1,400円 | 約1,124円 | 約1,599円 |
大阪府 | 約1,400円 | 約1,100円 | 約1,300円 |
愛知県 | 約1,330円 | 約1,100円 | 約1,300円 |
福岡県 | 約1,300円 | 約1,000円 | 約1,200円 |
北海道 | 約1,280円 | 約1,000円 | 約1,200円 |
宮城県 | 約1,270円 | 約1,000円 | 約1,200円 |
沖縄県 | 約1,200円 | 約900円 | 約1,100円 |
参照元: 令和4年賃金構造基本統計調査
※正社員の時給換算は、月給を所定労働時間で割った概算値です。
- 正社員の時給換算:月給を21日勤務・1日8時間労働として計算しています。
- パート・派遣の時給:求人情報サイトや統計調査のデータを基にしています。
- 地域差:都市部では時給が高く、地方では低い傾向があります。
※最新の統計データが存在しない場合や、情報が不足している都道府県もあります。
✅物価が高い地域では時給も上がりやすい一方、人手不足の深刻な地方でも時給が引き上げられているケースがあります。
保育士の勤務年数別平均時給(無期雇用・フルタイム)
勤務年数 | 平均時給(円) |
---|---|
0年 | 1,169 |
1年 | 1,346 |
2年 | 1,475 |
3年 | 1,497 |
5年 | 1,577 |
10年 | 1,718 |
20年 | 2,140 |
参照元:賃金構造基本統計調査による職種別平均賃金(時給換算)
- 昇給の傾向:勤務年数の増加に伴い、時給も着実に上昇しています。特に、0年目から5年目にかけての昇給幅が大きく、5年目以降は緩やかな上昇傾向にあります。
注意点
- 施設による差異:上記の時給は全国平均であり、地域や施設の規模、運営方針によって実際の時給は異なる場合があります。
- 雇用形態の違い:パートや派遣などの非正規雇用の場合、時給は正規雇用者と比較して異なる傾向があります。
保育士が時給アップを狙う方法

● ① 派遣会社を経由して働く
派遣は時給が高く設定されやすく、短期で収入を得たい人に向いています。複数の派遣会社に登録し、比較するのがコツ。
● ② 園の運営母体に注目する
社会福祉法人・企業主導型・私立など、運営母体によって給与水準が異なります。
● ③「処遇改善手当」がしっかり支給されている園を選ぶ
保育士処遇改善加算Ⅰ・Ⅱ・Ⅲなどの加算をフル活用している園は、時給・月給に反映されやすいです。
● ④ 転職サイト・エージェントを活用する
時給相場より高い求人は、非公開求人として転職サイトに登録されているケースが多いため、プロのサポートを受けると見つけやすくなります。
まとめ|保育士の「安すぎる時給」は変えられる

確かに、保育士の仕事は責任の重さに対して「時給が安すぎる」と感じる場面が多いかもしれません。
しかし、働き方や勤務先の選び方を工夫することで、より納得できる時給を得ることは可能です。
「地域・雇用形態・制度」の違いを知り、あなたに合った働き方と収入のバランスを見つけていきましょう。