保育士がメンタルをやられる理由とは?自分を守るための選択肢

「仕事のことを考えると動悸がする」

「子どもは好きなのに、園に行きたくない」
もし今、あなたがこんな気持ちでこのページを開いているなら、それはかなり限界に近いサインかもしれません。
保育士はやりがいのある仕事である一方、メンタルをやられやすい職業でもあります。

私も正社員で保育士をしていた頃は、次の日の出勤が辛くて眠れないこともありましたね…。
この記事では、なぜ保育士の仕事はメンタルがやられやすいのか、これ以上自分を壊さないための選択肢などを、できるだけ現実的に解説します。

メンタルがやられるのは、あなたが弱いからではない

まず前提として、メンタルがやられるのは個人の問題ではなく、環境の問題であることがほとんどです。
メンタルがやられてしまうほど追い詰められている時点で、それはもう「努力不足」や「甘え」の話ではありません。
もしあなたが限界を感じているなら、それは弱さではなくこれまで無理を重ねてきた証拠です。あなたが悪いのではなく、その状況があなたに合っていなかっただけなのです。

特に保育士は「子どものため」と自分を後回しにする人が多く、あきらかブラックな園で働いているのに「それが当たり前」だと思い込み、麻痺している人も多くいると感じます。
保育士がメンタルをやられやすい理由

常に感情労働を求められる
保育士の仕事は、ただ業務をこなすだけではありません。どんなに自分が疲れていても感情を抑えて振る舞うことが求められます。
常に笑顔でいることが求められ、どんなに疲れていても感情をコントロールしながら子どもや保護者と向き合わなければなりません。
このような感情労働が長期間続くと、ストレスをため込んだり、自分の感情が分からなくなってしまいます。家に帰った瞬間にどっと疲れが出たり、理由もなく落ち込んだりするのは、決して珍しいことではありません。
人手不足による慢性的な余裕のなさ
多くの園では慢性的な人手不足が続いています。
本来であれば休憩を取るべき時間も十分に確保されなかったり、書類作業は業務時間内に終わらず、持ち帰りが当たり前になったりしているケースも少なくありません。中には本来2人で見る配置なのに1人で回すという状況も。
体調が悪くても簡単には休めず、「みんな頑張っているから」という空気の中で無理を重ねてしまいます。
こうした状況が続くと、心が休まる瞬間がなくなり、少しずつメンタルが削られていきます。自分では気づかないうちに、限界が近づいていることも多いです。
人間関係の閉鎖性
保育園は園舎内で長時間を共に過ごす職場で、外部の目が入りにくい環境です。
担任の先生同士やフリーの先生で関わる相手もほぼ固定されているため、人間関係がこじれると逃げ場がありません。狭い人間関係の中で対立が生まれると、自然に解決しづらいです。
パワハラ・叱責される

園によっては注意や指導の域を超え、人格を否定するような言い方をされたり、他の職員の前で強く叱責されたりすることが日常化している園もあります。
このような状況では、「自分が悪いのだ」「もっと頑張らなければならない」と思い込み、心身の不調に気づきにくくなります。
特に新人や若手、立場の弱い保育士ほど強い口調や威圧的な態度を受け止め続けてしまい、知らないうちに自己肯定感を大きく下げてしまう傾向があります。
責任の重さに対して評価が低い
命を預かる仕事であるにもかかわらず、給与や評価が見合っていないと感じる人も多いです。
責任は重いのに評価は曖昧で失敗したときだけ厳しく指摘される。その積み重ねが「自分は報われていない」「何のために頑張っているのか分からない」という気持ちを生み、自己肯定感を下げてしまいます。
限界を感じた保育士に共通するサイン

メンタルがやられ始めた保育士には、いくつか共通する変化が見られます。
仕事のことを考えると涙が出る
仕事のことを考えただけで涙が出たり、園に向かう途中で強い不安や動悸を感じたりするようになるとメンタルがやられているサインです。
以前は当たり前にできていた出勤準備が、異常に重く感じられるようになるのです。
子どもの声がつらく感じる
子どもの声や泣き声に対して、以前よりも敏感に反応してしまうことがあります。
子どもが嫌いになったわけではないのに心に余裕がなくなり、些細なことでイライラしてしまう自分に自己嫌悪を抱くようになります。

子どもが好きで保育士になったのに、子どもの声が辛くなるのは本末転倒ですよね…。
ミスが増える
集中力も低下し、ミスが増えていきます。ミスを指摘されるたびに自信を失い「自分は保育士に向いていないのではないか」と思い詰めてしまう人も少なくありません。
「辞めたい」と毎日考える
出勤するたび、仕事のことを考えるたびに「辞めたい」と感じるのは限界を迎えているサインです。
「辞めたいけど生活があるから辞められない…」という方もいると思いますが、メンタルを壊したら働くこともできなくなります。時には環境を変える勇気も必要です。
自分を守るためにできる選択肢

一度立ち止まる
メンタル的にしんどさを感じているのであれば、まずは一度立ち止まって考える時間を持つことが大切です。
「続けるか辞めるか」という二択で考える必要はありません。「このままの働き方を続けて、自分は大丈夫なのか」という視点で、自分自身の状態を冷静に見つめてみてください。
園長・主任に相談する
業務量が明らかに多すぎる場合や、人間関係、配置の問題などは、個人の努力だけで変えられるものではありません。信頼できる園長や主任であれば、配置の見直しや業務分担の調整など、何らかの対応を考えてくれる可能性もあります。
体調の変化や業務量の実情を冷静に話すことで、状況が改善するケースも実際にあります。
一方で、相談しても真剣に取り合ってもらえなかったり、「みんな同じ」「気の持ちよう」と流されてしまったりする園もあります。その場合は、その園自体が長く働ける環境ではない可能性が高いという判断材料にもなります。
カウンセリングを受ける
園内の人に相談しづらいときは、外部機関に相談するのも一つの手です。
- 地域の医療機関
- 働く人のこころの耳相談(厚生労働省)
- メンタルヘルス不調や、ストレスチェック制度、過重労働による健康障害の防止対策などについての相談を受け付けています。
- こころの健康相談統一ダイヤル(厚生労働省)
- 全国どこからでも共通の電話番号に電話すれば、電話をかけた所在地の公的な相談機関((各自治体が運営する精神保健福祉センターや福祉協会など)に接続されます。
情報を持つ
園によって働き方や環境は大きく異なります。今の園しか知らない状態でいると、知らないうちに自分を追い込んでしまうでしょう。
たとえば、
- 休憩がきちんと取れる園もある
- 行事負担が少ない園もある
- 人間関係を重視して採用している園もある
こうした事実を知らないまま、「保育士はどこもきつい」と思い込んでしまう人は少なくありません。

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異業種転職も検討する
「正直、もう保育士を続けたいと思わない…」という方もいるかもしれません。そのような方は異業種転職も視野に入れるといいでしょう。
保育士として身につけてきたスキルは、異業種でも十分に活かせます。たとえば、対人対応力、報連相、段取り力、マルチタスク能力などの経験などは、事務職、福祉系の相談業務、受付、カスタマーサポートなどさまざまな仕事で評価されます。実際に、保育士から異業種に転職し、メンタル的な余裕を取り戻した人は少なくありません。
「でも保育士しか経験ないし、今更他の仕事ができるかな…」という方におすすめなのは、筆者も経験した「保育事務」「幼稚園事務」という仕事です。
保育士として働いた経験も活かせるので、保育士資格が無駄になることもありません。


【実体験】メンタルがやられた実際のエピソード
ここでは筆者が実際に見たり聞いたりした「保育士のメンタルがやられたエピソード」を紹介します。
エピソード①:忙しすぎて、毎朝吐き気がした
正社員として担任をしていた頃、慢性的な人手不足で休憩はほぼ取れず、行事前は準備に大忙しで夜中の0時に帰宅したことも…(次の日は朝6時起き)。
ある時から、朝になると吐き気がして園に行けなくなりました。「子どもに迷惑をかけてはいけない」その思いだけで出勤していましたが、帰宅すると動けず、何もできない日々。
ある朝、玄関で靴を履いたまま動けなくなり、初めて「このまま続けたら壊れる」と実感しました。
エピソード②:人格・容姿を貶められる
当時働いていた園では、園長からのパワハラがひどく、業務上の注意だけでなく人前で強い口調で叱責されたり、人格を否定するような言葉を投げかけられたりすることが増えていきました。
さらには、容姿に関することまで指摘され「あなたそんな〇〇みたいな見た目でどうするの?」と言われたこともありました(〇〇はあまりに酷い表現だったので伏せています)。
今振り返ると、それは明らかにパワハラでした。しかし当時は、園長という立場の人から言われている以上何も言えませんでした。

この方は私が「その園おかしいよ」と言っても、「急に辞めたら子どもや保護者にも悪いし…」と言ってしばらく辞めようとしなかったのです。長く働いていると麻痺してしまうんでしょうね。
エピソード③:経費削減
経費削減に厳しい園で働いていた頃、壁面飾りを作ろうと型紙をコピーしようとすると先輩から「コピー用紙がもったいないから、フリーハンドで作って」と言われたり、画用紙を使うのにも上司に一言伝えないといけなかったりと、とにかく厳しい園でした
極めつけは「クラス写真を撮るカメラを買っておいて」と言われたのですが、なんと経費からではなく「自分のお金で買って」と言われました。
園長に伝えるも取り合ってもらえず…結局カメラは自費で買いました。

これらのような園に転職しないためにも、事前に情報収集をしておきましょう。
まとめ|やられる前に自分を優先していい

保育士がメンタルをやられる理由は、あなたの性格ではなく、構造的な問題によるものがほとんどです。
もし今、
- 限界を感じている
- 毎日つらい
- このままでいいのか不安
そう感じているなら、一度立ち止まって、選択肢を知ることだけでもしてみてください。
あなたが心身ともに健康でいることが、何より大切です。
