保育士の給料では生活できない?一人暮らし保育士だった私が貯金できた理由と制度
Last Updated on 2025年10月23日 by yura

「気づけば毎月ギリギリ…」。保育士として働きながら、貯金がなかなかできないと感じていませんか?特に一人暮らしの方は家賃や光熱費などもあるので、なかなか貯金まで手が回らないという方もいるでしょう。
この記事では、過去に都内で一人暮らしをしていた筆者が「なぜ保育士は生活が厳しいのか」「実際に貯金ができた理由・支援制度」「転職も含めた改善策」までを詳しく解説します。

なぜ生活が厳しいのか?

給料が低い(特に地方勤務)
これが保育士の生活が厳しい一番の理由ではないでしょうか。
以下、厚生労働省の調査による保育士と幼稚園教諭の平均年収です。(地域・勤続年数・勤務形態・役職によって年収は異なります。)
| きまって支給する現金給与額(月額) | 年間賞与その他特別給与額(年額) | 年間給与額 | 平均勤続年数 | |
|---|---|---|---|---|
| 保育士 | 27.7万円 | 74.1万円 | 406.8万円 | 8.6年 |
| 幼稚園教諭 | 27.6万円 | 80.8万円 | 412.7万円 | 9.8年 |
次に保育士の勤続年数ごとの平均年収です。
| きまって支給する現金給与額(月額) | 年間賞与その他特別給与額(年額) | 年間給与額 | |
|---|---|---|---|
| 1~4年 | 24.0万円 | 58.4万円 | 346.4万円 |
| 5~9年 | 26.0万円 | 67.0万円 | 379.0万円 |
| 10~14年 | 27.2万円 | 72.0万円 | 398.4万円 |
| 15年以上 | 30.2万円 | 100.0万円 | 462.4万円 |

役職にもよるのでしょうが、こうして比べてみると保育士の平均年収に届くには10年以上働かないといけませんね…。
これは賞与込み・フルタイム・都市部・正社員も含んだ数値であり、実際には下記のようなケースも少なくありません。
- 地方保育園での年収:250万円〜300万円台も
- 一人暮らしだと家賃・光熱費で半分以上消える
- ボーナスがない、もしくは寸志
収入に対して支出が多いため、自然と「手元に残るお金=貯金できる額」は少なくなります。

この給与から、さらに結構な額の税金が引かれるので手取りは低いです。ましてや女性は産休・育休などで収入が減る方も多いので…。
残業・持ち帰り仕事が多く「時給換算でさらに低い」
表面上の月給だけを見ると25万円ほどでも、持ち帰り仕事や行事準備、連絡帳記入などの隠れ労働時間を考慮すると、実質的な時給は1,000円前後まで下がることもあります。
つまり「頑張っても給料が上がらない」「努力が報われない」と感じやすい構造になっています。
物価高・家賃高騰の影響
ここ数年で物価・光熱費・食料品が急上昇し、生活コストが上がったのに給与が追いつかないという現実があります。
特に一人暮らしの保育士は、家賃と光熱費で収入の半分が消えるケースも。
「家賃補助」「借り上げ社宅制度」などを利用してようやく生活できる、という声が多く聞かれます。
私が実際に貯金ができた理由
先に述べておきますが、「魔法のように貯金ができる方法」は無いです。あくまで、私が貯金できた理由、支援制度を紹介します。
家計簿アプリなどでお金の見える化をする

とにかく買い物をしたら家計簿をつけていました。細かく商品名まで記録する必要はありませんが、「食費」「日用品」「交通費」など大体の分類をして記録することで、「今自分が一番何にお金を使っているか」が分かります。「可視化」するだけで無意識の支出を意識でき、節約につながることも。

家計簿をつけると「今月は○万円貯金できた!」と貯金額も可視化できるので、やる気も出ます。
また、レシートを撮影するだけで自動で分類してくれる家計簿アプリもあるので、手間なく支出管理ができます。
固定費を見直す
保険、サブスクなど、毎月の「見直しにくい支出」こそ効果大。毎月の銀行引き落とし・カード明細をチェックしましょう。
| 項目 | 見直しポイント |
|---|---|
| 保険 | 不要な医療保険・学資保険は見直し対象 |
| サブスク | 使っていない音楽・動画サービスは解約 |
| ネット回線 | 光回線の利用頻度が少ないならポケットWi-Fiへの切り替えも検討(通信費の最適化) |
| スマホ代 | 可能であれば、格安SIMに乗り換えることで月額5,000円以上削減も可能。 |
「月〇円貯金」の目標を設定する
いきなり「毎月3万円貯金しよう」ではなく、まずは「1万円」から。
先取り貯金(給料が入ったら先に貯金用口座へ移す)がおすすめです。
積み立てのサービスを利用
貯金が続かない人におすすめなのが、銀行や証券会社が提供している自動積み立て機能。
設定した金額を、毎月決まった日に自動で貯金口座や積立投信へ振り分けてくれる仕組みです。
自動積立のメリット:
- 「貯める」を自動化できてストレスがない
- 引き出しにくい口座にすれば使い込み防止になる
- 少額(1,000円〜)でも設定可能
「気づいたら貯まっている」仕組みを作ることが、継続の鍵になります。自身が利用している金融機関で申し込みが可能か、調べてみましょう。
家賃補助制度のある職場で働く
まず、家賃は目安として収入の25%以下に抑えると良いでしょう(手取り月収が20万円の場合、家賃は5万円前後が理想)。もし職場に家賃補助制度のあればそれを利用したり、転職先に家賃補助制度がある職場を選ぶのも一つの手でしょう。

私が都市部で一人暮らしができたのは、借り上げ社宅制度のある園で働いていたからです。この制度のおかげで、家賃7.5万円の賃貸物件も「毎月無料」でした。
借り上げ社宅制度とは?
企業、運営法人(園)が、民間の賃貸住宅を借り上げて、それを従業員に「社宅」として提供する制度です。家賃の一部は自治体からの補助金でまかなわれ、従業員本人の自己負担は大幅に抑えられます。
特に東京都をはじめとする都市部での保育士不足対策としても、多くの園で導入されています。

節約術ではありませんが、職場選びの一つとして覚えておくと良いでしょう。
とくに新卒の時は貯金ガチ勢だったので、手取り17万円でも毎月5~7万円ほど貯金していました。さらに新卒でもボーナスが出る職場だったので、新卒一年目で合計90万円ほど貯金できました。
働き方を見直す転職も選択肢
いくら節約しても、「収入が根本的に少なすぎる」なら、働き方を変えることも視野に入れるべきです。
レバウェル保育士なら、家賃補助制度が整っている求人を紹介してもらえます。非公開求人多数、事前に職場の人間関係や評判も確認可能で、連絡手段も選べます(LINE・メール・電話)。。
「転職=今すぐ辞める」ではありません。情報収集や年収シミュレーションとして、転職サイトの登録はおすすめです。あなたの希望条件を伝えるだけで、求人を無料で紹介してもらえます。

保育士の家賃補助制度について詳しくは以下の記事で解説しています。こちらには私の月の支出額も書いています。

まとめ

保育士の仕事は尊く、やりがいも大きいですが、生活が不安定だと心も疲れてしまいます。
まずは以下をチェックしてみましょう。
- 家計簿アプリで見える化
- 固定費の見直し
- 先取り貯金の習慣化
- 家賃は手取りの25%以内
- 家賃補助制度を利用する
- 転職も選択肢に
大切なのは、「今すぐ完璧な節約をする」ことではなく、「今より一歩よくすること」です。焦らず、でも確実に、お金と向き合っていきましょう。
