認可保育園・認可外・小規模・幼稚園・こども園の違いと保育士の向き不向きまとめ【転職前に要チェック】

保育士として転職を考えるとき、「園の種類」をしっかり理解しておくことはとても重要です。
- 同じ「保育の仕事」でも、施設の方針や業務内容、待遇、雰囲気が全く異なる
- 転職後のミスマッチを防ぐには、施設ごとの特徴を知ることが不可欠
この記事では、保育士が働ける代表的な5つの施設タイプについて、それぞれの概要・特徴・メリット・デメリット・向いている人をわかりやすくまとめました。

認可保育園|制度と安定性のバランスが取れた王道施設

特徴・概要
児童福祉法に基づき、厚生労働省や自治体から「認可」を受けた保育施設です。認可を得るためには、園児の定員、面積、保育士の人数、給食体制など、厳格な基準を満たす必要があります。公立・私立があります(公立で正規職員として働く場合、公務員試験を受ける必要がある)。
運営主体
自治体(公立)または社会福祉法人・学校法人・民間企業(私立)が多い。
対象年齢
0歳〜5歳児が対象。保護者の就労・病気・介護など「保育の必要性」がある家庭の子どもを預かります。
メリット
- 行政の基準に沿った運営で安定感がある
- 配置基準や面積などが法的に整備されている
- 正規雇用の求人が多く、待遇も比較的良い
デメリット
- 書類業務や行事準備が多く、業務負担が大きくなりがち
- 求人倍率が高い
向いている人
- 長期的に保育士として安定して働きたい
- 保育の基本をしっかり経験したい
- 正社員としてフルタイム勤務を希望している

認可外保育園|自由度は高いが園ごとに差が大きい
特徴・概要
自治体の認可基準を満たしていない保育施設(事業所内保育、認証保育園など)で、内閣府所管の「認可外」とされます。届出制ではあるものの、設置・運営基準は自主的で柔軟性が高いのが特徴です。
対象年齢
園によって異なりますが、0歳〜就学前までの子どもを対象とする場合が多いです。
運営主体
個人事業者、中小企業、ベビーホテル運営会社など多様。
メリット
- 独自の保育方針を持つ園が多く、柔軟な保育が可能
- 小規模でアットホームな雰囲気も
デメリット
- 園によって保育の質や職場環境に大きな差がある
- 保育士配置基準や給食設備などが未整備な場合も
- 施設によって「休日保育」や「夜間保育」などがある場合もある
向いている人
- 型にはまらない保育がしたい
- 柔軟な勤務条件(夜間、週末など)を希望している
- 園の理念に共感できる個人経営園を選びたい
主な認可外保育園の施設タイプ別比較表
種類 | 主な対象 | 特徴・ポイント |
---|---|---|
認証保育園 | 0歳〜 | 東京都が定めた基準を満たして認証を得た保育園のこと |
企業主導型保育所 | 主に従業員の子ども&地域の子ども(園による) | 預かり時間が従業員の勤務時間と連動しやすい。地域の子どもを預かることもある(地域枠) |
院内保育園 | 従業員(病院勤め)の子ども | 病院内に設置された保育施設 |
事業所内保育施設 | 主に従業員の子ども&地域の子ども | 従業員の子ども以外にも、地域の子どもも預かる(地域枠) |
ベビーホテル | 0歳〜 | 「宿泊を伴う保育」、「20時以降の保育」、「利用児童の半数以上が一時預かり」のいずれかの条件に該当する保育施設 |

小規模保育園|一人ひとりに寄り添った保育がしやすい

特徴・概要
0〜2歳児を対象とした定員6〜19名の認可施設。地域型保育の一環として、家庭的な保育が求められます。
対象年齢
原則として0〜2歳児(園によっては3歳児以降も)。
運営主体
国や各自治体。
メリット
- 子ども一人ひとりとじっくり関わることができる
- 保護者とも密なコミュニケーションが取れる
- 行事準備が少ない傾向にあり、残業が少ない園も
デメリット
- 職員数が少ないため、休憩・急な休みに対応しづらい
- キャリアアップや異動の選択肢が限られる
- 主な対象年齢が0〜2歳児なので年齢幅の保育経験が積みにくい
向いている人
- 子どもとゆったり関わる保育をしたい
- 小規模な職場で家庭的な雰囲気が好き
- ブランク明けや子育て中で短時間勤務を希望する人

幼稚園|教育的アプローチ重視

特徴・概要
学校教育法に基づいた「教育施設」であり、文部科学省の管轄。基本的に満3歳〜就学前の子どもを対象とし、保育より「教育」重視のカリキュラムを行います。
対象年齢
満3歳〜5歳児。保護者の就労の有無に関係なく通園可能。
運営主体
公立(市区町村立)および私立(学校法人)。
メリット
- 行事や制作活動などの創造的な仕事が多い
- 教諭としての教育的スキルが身につく
デメリット
- 書類・指導案の作成、行事準備が膨大
- 長期休暇中は無給・出勤なしのこともある
- 最近は共働き世帯のために、夕方まで預かり保育をおこなっている園も多い
向いている人
- 教育的視点から子どもに関わりたい
- 就学準備や指導に興味がある
- 保育士ではなく幼稚園教諭資格を活かしたい
認定こども園|保育と教育の融合施設で幅広い経験が積める
特徴・概要
「幼稚園」と「保育園」の両機能を併せ持つ認定施設。子育て支援法に基づき、内閣府・文科省・厚労省が連携して整備しています。
対象年齢
0歳児〜就学前。
運営主体
学校法人や社会福祉法人、地方自治体など。施設の形態は主に以下の4タイプ
- 幼保連携型
- 幼稚園型
- 保育所型
- 地方裁量型
メリット
- 保育と教育の両方に関われる
- 年齢幅が広く、多様な保育経験を積める
- 行政による支援体制が比較的整っている
デメリット
- 勤務時間帯が複雑になりやすい(早番・遅番あり)
- 保育士と幼稚園教諭両方の資格が必要な場合も
- 園によって運営方針に大きな差がある
向いている人
- 幼児教育と保育の両方に関心がある
- 多様な年齢の子どもと関わりたい
- スキルの幅を広げたいと考えている人
比較表|保育士が働ける施設の違いまとめ
種類 | 対象年齢 | 特徴キーワード | 向いている人の特徴 |
---|---|---|---|
認可保育園 | 0〜5歳 | 安定/業務多め | 安定重視/フルタイム志向 |
認可外保育園 | 0歳〜 | 自由度高い/園ごとに差 | 柔軟な働き方希望 |
小規模保育園 | 0〜2歳(園によっては3歳児以降も) | 少人数/家庭的 | 穏やかな保育 |
幼稚園 | 満3歳〜 | 教育重視/業務多め | 教育志向 |
認定こども園 | 0〜5歳 | 保育+教育/資格両方必要(※特例制度・経過措置あり) | 幅広く経験したい |
迷ったまま一歩が踏み出せない方は、まずは相談だけでもしてみるのが一つの選択です。
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まとめ:転職先を選ぶなら「施設の違い」を知ることが第一歩

転職や復職を検討している保育士にとって、どの園種を選ぶかは、今後の働き方やキャリアに大きな影響を与えます。
- 自分がどんな保育をしたいのか
- どのくらいの勤務時間・業務量が適しているか
- ライフスタイルや価値観と合うのはどの施設か
これらを明確にした上で、施設ごとの特徴を理解すれば、「自分に合った職場」がぐっと見つけやすくなります。
ぜひこの記事を参考に、あなたにぴったりの働き方を見つけてください。