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保育士が小規模保育園で働くメリットと注意点|転職前に知っておきたいこと

yura

もっと子ども一人ひとりと丁寧に関わりたい

大人数のクラス担任が負担に感じる

そんな方にとって注目されているのが、小規模保育園での勤務です。

この記事では、小規模保育園の特徴や働く上でのメリット・注意点を詳しく解説します。転職を考えている保育士の方が、自分に合った職場を選ぶ判断材料として活用できる内容です。

yura(筆者)
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Profile
大学で4年間保育・幼児教育について学んだ後、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。卒業後は保育士として保育園で4年間担任を勤める(1・2・3歳児クラス経験あり)。結婚後は引っ越しを機に、幼稚園事務に転職。現在は時間に融通の利く幼稚園パート(保育補助)として勤務している。

小規模保育園とは?基本情報

小規模保育園とは、児童福祉法に基づき、0歳〜2歳児を対象に6〜19人程度の子どもを預かる施設です。
自治体が定めた認可事業として「小規模保育事業(A型・B型・C型)」が整備されており、保育園の規模が小さい分、より家庭的な保育を提供することを目的としています。

小規模保育の種類

小規模保育事業には、運営形態や職員配置の違いにより主に以下の3種類があります。それぞれの特徴を理解することで、自分に合った職場選びの参考になります。

種類職員数の目安保育者の資格要件保育室の広さ基準
A型子ども6〜19人に対し保育士が基準通り配置+1全職員が保育士資格を保有原則として認可保育園と同様(【0・1歳児】3.3㎡/人以上【2歳児】1.98㎡/人以上)
B型同上半数以上が保育士資格を保有A型と同様の基準に準じる
C型園児3人に対して1人
家庭的保育補助者を置く場合は 5:2
代表者は保育士・看護師・子育て経験者など一定要件あり保育室は家庭的環境を確保しつつ基準あり(例:3.3㎡程度)

それぞれの型に応じて、保育士資格の有無や施設基準、運営スタイルが異なります。いずれも認可施設として運営され、自治体の基準に基づいて人員配置・設備・運営がなされています。

3歳児以降は?

3歳児になると別の保育施設に転園するのが一般的です。小規模保育園には「連携施設(受け皿園)」が指定されているケースもあり、同法人の系列園や協力先の園に優先的に進学できる仕組みがあります。

ただし、2023年4月の制度改正により、小規模保育園では3~5歳児の受け入れも始まりつつあります。

小規模保育園で働く保育士のメリット

1. 少人数だから子ども一人ひとりとじっくり関わることができる

最大でも19人、クラス単位ではなく異年齢混合やユニット制が一般的。そのため、子ども一人ひとりの発達や性格を深く理解し、丁寧な関わりができます。

「大人数のクラス担任時代よりも、子どもと密に向き合えるのが嬉しいという声も多数。

2. 保護者との関係が深まりやすい

人数が少ないため、保護者と日々のやり取りが丁寧にでき、信頼関係が築きやすい環境です。家庭の状況や育児の悩みなども共有しやすく、支援の幅が広がります。

3. 行事準備の負担が少ない

少人数なので運動会や発表会といった行事準備の負担が軽い傾向にあります。働き方を見直したい保育士にとって、心身の負担が軽減される職場です。

4. アットホームな職場環境

職員数も少人数のため、家庭的な雰囲気の中で働くことがやりがいにつながるという人も。

小規模保育園で働く際の注意点・デメリット

1. 職員の人数が少なく、一人あたりの責任が重い

職員数が限られているため、欠勤者が出たときのカバーが難しく、業務が属人的になりがち。柔軟な対応力が求められます。

2. 人数が少ないからこそ「合わない人」との距離が近い

大規模園では「関わりを減らす」「別クラスに配置」などで回避できますが、小規模園ではそれが難しいです。保育観や指導スタイルが合わない場合、圧迫感や不満を感じることも。

3. キャリアアップや異動がしづらい

小規模な組織のため、主任・園長などのポストが少なく、キャリアパスが限られることがあります。将来的にステップアップを目指す人には物足りなさを感じるかもしれません。

4. 園の運営方針により保育観が偏ることも

園長の方針が職場全体の雰囲気や保育の質に直結しやすいため、自分の保育観と合うかどうかを見極めることが大切です。見学や面談で職場の雰囲気を確認しましょう。

5. 特定の年齢に合わせた保育経験が積みにくい

小規模保育園では、0〜2歳児の保育が中心です。3歳以上の保育は行っていないため、年少~年長クラスの保育を経験したい人にとっては、物足りなさを感じることもあるでしょう。

yura(筆者)
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園内の絵本やおもちゃの数にも限りがあります。低年齢児だと高年齢児に比べ、遊びや製作活動の幅が狭い傾向にあるので、日々「どうやって子どもたちを楽しませることができるのか」という工夫が必要ですね。

小規模保育園に向いている保育士のタイプ

  • 子ども一人ひとりとじっくり関わる保育がしたい
  • チームで助け合いながら働きたい
  • 行事よりも日々の生活保育を重視したい
  • アットホームな雰囲気の職場を求めている
  • 0〜2歳児保育にやりがいを感じる

反対に、明確な役割分担や大人数のダイナミックな保育が好きな人には向いていない場合もあります。

転職前にチェックしておきたいポイント

  • 保育方針が自分の価値観と合っているか
  • 勤務体制(シフト・休憩・残業)
  • 給与・賞与・福利厚生
  • 見学時の職員の雰囲気や子どもとの関わり方
  • 園長や運営法人の理念・方針

転職前に園見学をすることは非常に重要です。できれば保育の様子を見たり、職員と話す機会を持ったりすることで、自分に合うかどうかの判断材料になります。

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まとめ|小規模保育園は「丁寧な保育」を実現したい保育士におすすめ

小規模保育園で働くことには、大人数保育にはない魅力があります。一人ひとりと丁寧に向き合える保育、職員同士の連携、穏やかな職場環境。こうした要素にやりがいを感じる方にとって、小規模保育園は最適な職場となるでしょう。

一方で、注意点もいくつかあります。転職前にしっかりと情報収集を行い、自分の価値観や働き方に合った園を見つけてください。

「大規模園に疲れた」「もっと丁寧に子どもと関わりたい」と感じている保育士の方は、小規模保育園という選択肢を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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