保育士の残業時間は多い?現場経験者が平均・実態・対策を解説

「保育士は残業時間が多い」とよく言われますね。私も正社員保育士として働いていたときはサービス残業や持ち帰り仕事をしていました…。
これから保育士として働こうとしている方や、すでに現場で働いていて「この働き方は普通なのか?」と疑問を感じている方も多いはずです。
この記事では、
- 保育士の残業時間の平均
- なぜ保育士の残業時間が多くなりやすいのか
- 残業が少なめの保育園の特徴
- 残業時間を減らすための対策
などを、できるだけ現実に即して解説します。

保育士の平均残業時間は?

厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では、保育士の月平均残業時間は3~5時間前後と書かれています。一見すると「そこまで多くない」と感じるかもしれませんが、実際に現場で働いていると、この数字には大きな違和感があります。
なぜなら、この平均残業時間にはサービス残業や持ち帰り仕事がほとんど反映されていないからです。
これはあくまでも厚生労働省の調査結果であり、園側が申告した(残業代を支払った)残業時間のみが反映されています。

私もこの平均残業時間を見たときは、「そんなわけない」と思いましたね…。
保育士の残業はなぜ無くならない?

園の人員不足・配置基準の問題
保育士の残業が無くならない原因の一つが、園全体の人員不足と配置基準の問題です。
多くの保育園では、国が定める最低限の配置基準をもとに人員配置が行われていますが、この基準はあくまで安全を確保するための最低ラインに過ぎません。実際の現場では、子どもの対応、保護者対応、突発的なトラブルなどが日常的に発生するため、基準ギリギリの人員では業務が回らなくなりがちです。
その結果、日中に本来行うべき業務が後回しになり定時後に残って作業をせざるを得ない状況が生まれます。
書類・事務作業の多さ

保育士の仕事は、子どもと関わる時間だけでなく、日々の保育記録や連絡帳、指導案(週案・月案など)、個別の発達記録、行事関連の書類など多くの書類作成業務があります。
これらは保育の質を保つために必要な業務ではあるものの、実際には保育時間中に十分な作業時間を確保することが難しいのが現実です。そのため、書類作業は必然的に定時後に回されやすくなります。また、ICT導入が遅れている園では紙ベースの作業が多く、残業が増える傾向にあります。
持ち帰り仕事・サービス残業の文化
保育業界では長年にわたり、持ち帰り仕事やサービス残業を黙認する文化が根付いてきました。「子どものためだから仕方ない」「みんなやっているから」という意識が強く、業務時間外の作業が問題視されにくい傾向があります。
その結果、実際には多くの時間を仕事に費やしているにもかかわらず、残業として正しく記録されないケースが少なくありません。持ち帰り仕事が常態化すると、残業時間が表面化せず、園側も問題として認識しにくくなります。

保育士さんは我慢強い人が多いですからね…。
行事やイベントの多さ
保育園では、季節ごとにさまざまな行事やイベントが行われます。運動会や発表会、季節行事などは保育の魅力の一つでもありますが、その準備には多くの時間と労力が必要です。
特に内容にこだわり過ぎる園では、装飾や衣装、演出、練習計画の作成などが過剰になり、通常業務に大きな負担をかけることがあります。行事準備は日常の保育と並行して進めなければならないため、結果として残業が増えやすくなります。
労働環境改善への認識の低さ(経営層・管理職の問題)
残業が無くならない背景には、経営層や管理職の意識の問題も大きく関わっています。現場でどれだけ残業が発生しているのか、どの業務に時間がかかっているのかを正確に把握できていない管理職も少なくありません。
また、「保育士の仕事は忙しくて当たり前」「現場の努力で何とかするもの」といった考え方が根強い場合、労働環境を改善しようという発想自体が生まれにくくなります。経営側が残業を構造的な問題として捉えず個人の頑張りに依存し続けている限り、現場の負担は減らず、残業も無くならないままでしょう。
残業が少なめの保育園の特徴

残業が少ない保育園には以下の共通した特徴があります。
人員配置が適切である
残業が少ない園に共通している大きな特徴の一つが、人員配置に余裕があることです。
ここでいう余裕とは、単に国の配置基準を満たしているという意味ではありません。欠勤者が出た場合や突発的な対応が必要になった場合でも、現場が破綻しないだけの人員体制が整っていることを指します。
人員配置が適切な園では、日中の保育業務を回しながら書類作成や準備作業の時間を確保しやすくなります。その結果、定時後に業務を持ち越す必要が減り、自然と残業時間も少なくなります。
業務の効率化が進んでいる
残業が少ない園では、業務の進め方そのものが現実的に設計されています。
書類のフォーマットが統一されていたり、過去の資料を活用できる仕組みが整っていたりすることで、毎回一から作成する負担が軽減されています。また、行事や日常業務についても、「本当に必要な作業かどうか」を定期的に見直している園が多い傾向にあります。
無駄な手間や慣習的に続けてきた作業を減らすことで、業務時間内に仕事を終えやすくなり、結果として残業の発生を抑えることができます。
残業申請がしやすい雰囲気がある
サービス残業・持ち帰り仕事が少ない園には、残業申請をしやすい雰囲気があるという共通点もあります。残業そのものを否定するのではなく、「必要なときは正しく申請する」という考え方が職場に浸透している園では、サービス残業が発生しにくくなります。
実際に残業時間が記録されることで、管理職や経営層が業務量の多さを把握しやすくなり、業務改善や人員調整につながるケースもあります。残業を申請しづらい職場では、問題が表に出ないまま放置されがちですが、申請しやすい雰囲気がある園では結果的に残業そのものを減らす方向へと動きやすくなります。
残業を減らすための対策

業務内容と時間の「見える化」を行う
日々の業務は忙しさに流されやすく、感覚的に「大変」「時間が足りない」と感じていても、具体的な原因が整理されていないケースが多くあります。
書類作成、行事準備、会議、保護者対応などを振り返り、どの業務が定時内に収まっていないのかを把握することで、改善すべきポイントが見えやすくなります。また、労働時間を超えて働いたことが立証できる場合、残業代を請求できます。
書類や作業のやり方を見直す
残業が多い園では「昔からこうしている」という理由だけで続いている作業が少なくありません。書類の記載項目が多すぎたり、内容が重複していたりする場合、思い切って簡素化する余地があります。
また、過去の書類やテンプレートを活用できる仕組みを整えるだけでも、作業時間は大きく短縮できます。
一人で抱え込まない体制を作る
業務を一人で抱え込んでしまうと、残業は減りません。クラス内やチーム内で業務を共有し、進捗をこまめに確認し合うことで、特定の人に負担が集中するのを防ぐことができます。
また、困ったときに相談しやすい関係性がある職場では、無理な残業に追い込まれにくくなります。日頃から情報共有を意識し、協力し合える体制を作ることが大切です。
改善が難しい場合は環境を変える選択も考える
さまざまな対策を講じても、構造的に残業が減らない園も存在します。その場合、個人の努力だけで状況を変えることには限界があります。
残業を減らしたいと考えるのであれば、「自分が頑張り続ける」以外に、「働く環境を変える」という選択肢があることも知っておく必要があります。無理を続ける前に、他の園の働き方を知ることが、結果的に自分を守ることにつながります。

「でも良い園がどこかなんて分からないし…」
レバウェル保育士なら、非公開求人多数、事前に職場の人間関係や雰囲気も確認可能で、連絡手段も選べます(LINE・メール・電話)。

園見学や面接時に確認すること

もし転職活動を行う場合は、求人情報だけで判断せず、園見学や面接を活用して実際の様子を確認しましょう。特に筆者個人の意見としては、園見学は実際の園の様子が見られるので、行って損はないと思います。
職員の雰囲気や表情
- 明るく、疲労感が少ない職員が多いかをチェック。
- 余裕のある職場は雰囲気が良く、働きやすさを感じられる。
退勤時間や残業の実態を質問
- 直接残業時間について質問するのではなく、「行事はどの程度の規模で行われているのか」、「とても素敵な壁面装飾だが、どのように作っているのか」などで実際の仕事量を探ってみる
- 面接時に雇用条件や労働環境について、詳しく確認する(失礼のない範囲で)
業務効率化の取り組み
- ICTツールの導入状況や、業務分担方法を具体的に確認する。
- 取り組みが明確な園は、残業削減に積極的な傾向がある。

「でも残業時間の事とか聞きづらい…」
レバウェル保育士なら、事前に保育園にヒアリングをしているので、残業時間や職場の内部情報などについて聞くこともできます。
園見学について詳しくはこちら↓

残業が少ない園を選ぶための最終チェックリスト
- 職員数が園児数に対して適切か
- 残業時間の記載が具体的か
- 業務の効率化に積極的に取り組んでいるか
- 職員の表情や職場の雰囲気は良いか
- 福利厚生が充実しているか
- 休暇取得の実績が明確にあるか
これらを総合的に判断し、働きやすく残業が少ない保育園を見つけましょう。
まとめ

残業が少ない保育園を選ぶためには、求人情報をしっかり読み解き、園見学や面接で実際の雰囲気を確認することが大切です。焦らず、妥協せず、自分の働きやすさを最優先に転職活動を進めていきましょう。
