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保育士は残業が当たり前?残業が少なめの保育園はこう選ぶ!求人情報の見極め方と注意点

yura

保育士にとって、「残業が多い」というのは転職を考える大きな要因の一つです。しかし、求人情報だけでは残業の実態が見えづらく、転職後に「思ったより残業が多かった…」と後悔するケースも少なくありません。この記事では、保育士経験者の視点から、残業が少ない保育園を見分ける具体的な方法や求人情報を見極めるコツを解説します。

保育士の残業はなぜ無くならない?

① 園の人員不足・配置基準の問題

厚生労働省が定める保育士の配置基準は、実態に即していないという指摘があり、これが慢性的な人員不足を招いています。

  • 職員一人当たりの負担増加
    • 必要最低限の職員数しか確保していない園が多いため、一人当たりの業務負担が大きくなり残業が常態化します。
  • 離職者の増加による悪循環
    • 残業が多いことで離職者が増え、さらに人員不足が深刻化するという悪循環が生じています。

② 書類・事務作業の多さ

保育士は保育業務だけでなく、事務作業や書類作成の負担も重く、これらが残業を増やしています。

  • 日誌や連絡帳、指導案など書類業務の増加
  • 行政からの監査対応・報告書作成の義務化
  • ICT導入が遅れている園では紙ベースの作業が多く、残業が増える傾向にあります。

③ 持ち帰り仕事・サービス残業の文化

保育業界特有の問題として、園内で終わらない仕事を自宅に持ち帰るケースが多く、こうした「見えない残業」が常態化しています。

  • サービス残業の暗黙的な習慣
    • 「子どものため」という使命感が、サービス残業や持ち帰り業務を黙認する風潮につながっています。
  • 労働時間管理の曖昧さ
    • タイムカードで退勤した後に業務を行うなど、正確な労働時間が把握されにくい実態があります。

④ 業務の属人化・効率化の遅れ

業務が一部のベテランや特定の職員に集中し、仕事が効率的に分散されていないことも残業が減らない要因です。

  • マニュアルや業務の標準化が進んでいない
  • ICTシステムや効率化ツールの導入が遅れている

⑤ 行事やイベントの多さ

園独自の行事やイベントが多すぎることも、残業が減らない原因となっています。

  • 行事の準備・運営にかかる膨大な時間
  • 保護者や地域の期待もあり、行事の簡素化が難しい環境があります。

⑥ 労働環境改善への認識の低さ(経営層・管理職の問題)

園の経営層や管理職が、保育士の労働環境改善に十分な理解や関心を持っていないことも大きな要因です。

  • 園長や主任が現場の負担感を把握できていない
  • 労働時間の削減や職場環境の改善が、経営上の優先事項になっていない

残業が多い保育園に共通する問題点

残業が多い保育園の特徴は以下の通りです。

  • 職員数がギリギリで運営されているため、一人の負担が大きい。
  • 業務の効率化が遅れており、紙ベースの書類作業などが多い。
  • 園長や主任が現場の実態を把握していない。
  • 職員間のコミュニケーションが少なく、情報共有不足が起こりがち。
  • 離職率が高く、求人募集が頻繁に出されている

残業が少なめの保育園の特徴

残業が少ない保育園には以下の共通した特徴があります。

①人員配置が適切である

  • 職員数に余裕があり、業務が偏らず分担されている。
  • 急な休みなどにも柔軟に対応できる環境が整っている。

②業務の効率化が進んでいる

  • ICTを活用した書類作成や事務処理の効率化が行われている。
  • 業務のマニュアル化や分業が進んでおり、負担が一人に集中しない仕組みが整っている。

③園の方針が明確で現場に無理な負担をかけない

  • 園長や運営側が職員の労働時間を重視し、無理な行事や過度な業務を課していない。
  • 職員が安心して定時退勤できるよう配慮されている。

求人情報を見極めるポイント

求人票に記載されている内容をしっかりと読み解くことが重要です。以下のポイントをチェックしましょう。

①勤務時間と残業時間の記載

  • 「残業なし」「月平均残業時間5時間以内」など具体的な記載があるか確認する。
  • 残業時間が曖昧だったり、記載がない求人には注意。

※サービス残業は含まれていないので注意‼

②職員数やクラス編成の情報

  • 園児数に対する職員の数が適正か確認。
  • 少人数制や複数担任制の導入が明記されている場合、業務負担が分散されやすい。

③福利厚生や休暇制度

  • 有給休暇の取得実績や育休制度、福利厚生が明記されているか確認。
  • 休暇や福利厚生の充実は、働き方への意識が高い証拠。

園見学や面接時に確認すること

求人情報だけで判断せず、園見学や面接を活用して実際の様子を確認しましょう特に筆者個人の意見としては、園見学は実際の園の様子が見られるので、行って損はないと思います。

①職員の雰囲気や表情

  • 明るく、疲労感が少ない職員が多いかをチェック。
  • 余裕のある職場は雰囲気が良く、働きやすさを感じられる。

②退勤時間や残業の実態を質問

  • 直接残業時間について質問するのではなく、「行事はどの程度の規模で行われているのか」「とても素敵な壁面装飾だが、どのように作っているのか」などで実際の仕事量を探ってみる
  • 面接時に雇用条件や労働環境について、詳しく確認する(失礼のない範囲で)

③業務効率化の取り組み

  • ICTツールの導入状況や、業務分担方法を具体的に確認する。
  • 取り組みが明確な園は、残業削減に積極的な傾向がある。

園見学について詳しくはこちら↓

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実際の口コミや評判を調べる

ネットの口コミサイトやSNS、実際に勤務経験がある知人などから情報収集を行うとより正確な実態が把握できます。ただし、主観的な意見も多いため、複数の意見を参考にバランスよく判断しましょう。

残業が少ない園を選ぶための最終チェックリスト

  • 職員数が園児数に対して適切か
  • 残業時間の記載が具体的か
  • 業務の効率化に積極的に取り組んでいるか
  • 職員の表情や職場の雰囲気は良いか
  • 福利厚生が充実しているか
  • 休暇取得の実績が明確にあるか

これらを総合的に判断し、働きやすく残業が少ない保育園を見つけましょう。

まとめ

残業が少ない保育園を選ぶためには、求人情報をしっかり読み解き、園見学や面接で実際の雰囲気を確認することが大切です。焦らず、妥協せず、自分の働きやすさを最優先に転職活動を進めていきましょう。

yura(筆者)
yura(筆者)
Profile
大学で4年間保育・幼児教育について学んだ後、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。卒業後は保育士として保育園で4年間担任を勤める(1・2・3歳児クラス経験あり)。結婚後は引っ越しを機に、幼稚園事務に転職。現在は時間に融通の利く幼稚園パート(保育補助)として勤務している。
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