保育士エピソード・ノウハウ
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2歳児の「走り回る」行動には理由がある!経験者が保育現場での対応ポイントを解説

yura
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活動中に室内を走り回っている…」

呼んでも止まらないし、他の子にぶつかりそうでヒヤヒヤする…

保育現場では、こうした“走り回る子”への対応に頭を悩ませている保育士も多いのではないでしょうか。
しかし、その走り回る行動には必ず“理由”があります。
本記事では、2歳児がなぜ走り回るのか、保育現場での実践的な対応方法や声かけの工夫について、元保育士の視点で詳しく解説します。

yura(筆者)
yura(筆者)
Profile
大学で4年間保育・幼児教育について学んだ後、保育士資格、幼稚園教諭一種免許を取得。卒業後は保育士として保育園で4年間担任を勤める(1・2・3歳児クラス経験あり)。結婚後は引っ越しを機に、幼稚園事務に転職。現在は時間に融通の利く幼稚園パート(保育補助)として勤務している。

なぜ走り回るのか?

2歳児は身体的にも精神的にも著しい成長を遂げる時期です。走り回る行動は、単なる“困った行動”ではなく、発達にとって自然かつ重要な意味を持っています。

運動機能の急激な発達

2歳になると、歩く、走る、ジャンプするなどの基本的な運動が急速に上達し、「できることが楽しい」「動くことそのものが快感」という運動欲求が非常に高まります。
室内であっても走り回るのは、「動きたい!」「試してみたい!」という発達的な欲求の表れです。

刺激を求めている

2歳だとまだ集中力が続きにくく、室内遊びやおもちゃに飽きて走り回ることがあります。また、お友達が楽しそうに走っていると、他の子もつられて走りまわることも。

自己主張と自立心の高まり(イヤイヤ期)

2歳児は「自分でしたい」「自分の好きなように動きたい」という気持ちが強くなり、保育者の制止や誘導に対して反抗的な態度を見せることもあります。走り回る行動も、“自由になりたい”という心の成長の一つといえます。

感情の発散

まだ自分の感情を適切に言葉で表現できず、興奮やストレスを体の動きで発散する傾向があります。たとえば、嬉しくて走り回る子もいれば、不安や緊張を紛らわせるために走る子もいます。

保育現場で走り回ると…

  • 室内で走り回って他の子とぶつかり、けがをする
  • 落ち着いて活動に参加できない
  • 保育士が追いかけ続けて疲弊する
  • 他の子どもたちも走り始める(模倣)

これらの行動に対して、怒鳴って止めたり、無理やり拘束しようとすることは逆効果になる可能性もあります。
大切なのは「なぜその子が今、走っているのか」という背景を見極め、適切な環境調整や声かけを行うことです。

yura(筆者)
yura(筆者)

と、まぁ色々書きましたが、私も2歳児クラス(子ども17人・担任3人)の担任をしたことがあるので、現場の余裕のなさも分かります…。上手くいかないと、つい「走りません!」と怒ってしまったり…。保育者としては、少しでも楽しい保育をしていきたいですよね。

保育者ができる対応のポイント

「やめさせる」より「他の行動に導く」

子どもたちが走り回ってしまう状況として、園のおもちゃに飽きたときや、活動に飽きてしまったときが挙げられます。そういった場合は、保育士から新しい遊びに誘ってみましょう。

  • 「ブロックで一緒にお城つくろうよ」
  • 「先生と一緒に宝探しゲームしようよ」

“禁止”の言葉ではなく、“代替行動”を提案する関わりがポイントです。

動ける時間と空間を意図的に確保する

2歳児は、「動きたいのに動けない」「動くと怒られる」状況が続くと、かえって反発心やストレスを募らせてしまいます。
そのため、活動の合間にしっかり動ける時間をスケジュールに取り入れることが大切です。

  • 朝の自由遊びに戸外活動やホール遊びを設定
  • 雨の日もサーキット遊びなどで体を動かす時間を用意
  • 廊下や一角に「走っても良いゾーン」を設定する園もあります

動く時間と“静かに過ごす時間”のメリハリをつけることで、活動全体が安定しやすくなります。

その子の気持ちを“言葉にして代弁”する

走り回っている子を見つけたら、まず感情を否定せずに気持ちに寄り添う声かけを心がけましょう。

  • 「楽しくなって体が動いちゃったんだね」
  • 「たくさん走って気持ちいいね。でも今はお友だちが危ないかもしれないよ」
  • 「走りたいなら、○○の時間に思い切り走ろうね」

こうした声かけは、子どもの自己理解を促し、保育者との信頼関係を築くうえでも有効です。

環境構成を見直す

そもそも室内が「走りたくなるような配置」になっていないか見直すことも重要です。

  • 見通しが良すぎるレイアウト → 直線的に走れる通路がある
  • 年齢に対して活動スペースが狭すぎる

棚の配置やパーテーション、コーナー作りなどで、自然に動きが区切られるよう工夫しましょう。

実際の保育現場での対応例

ある2歳児クラスでは、朝の室内活動中に必ず走り回るAくんがいました。活動にはなかなか集中できず、保育士が声をかけても笑って逃げ回る毎日。

そこで保育士は、Aくんが元気いっぱいな時間帯を見極め、朝のルーティンに「ミニ体操+かけっこタイム」を5分間導入。
その後、静かな活動に移る前に、「今は体を休める時間だよ」と伝えるようにしたところ、Aくんは次第に落ち着いて過ごせるようになっていきました。

まとめ

「走り回る」行動は、運動機能の発達や自立心の芽生え、感情の表現など、子ども自身の成長に深く結びついています。
保育士にとっては対応が難しく感じられることもありますが、その背景を理解したうえで適切に関わることで、子どもの健やかな発達を支えることができます。


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