フリー保育士はたらい回しにされる?経験者が見て感じた理由と5つの対処法

「頼まれてヘルプに行くけれど居場所がない…」
保育の現場では近年、派遣やパート、短期契約など「フリー保育士」と呼ばれる働き方が増えています。
この記事では、フリー保育士の筆者が現場経験をもとに、フリー保育士がたらい回しにされてると感じる理由と、その具体的対処法を解説します。

たらい回しにされてると感じる理由

「フリー保育士」という言葉には明確な定義があるわけではありませんが、言い換えれば「固定のクラスを持たずに、柔軟に動ける立場」であることです。以下は、フリー保育士がたらい回しにされていると感じる理由です。
理由① 慢性的な人手不足と穴埋め要員化
多くの園では、欠員が出たときにフリー保育士がヘルプに入るので、日々「○○先生が休みだから代わりに○○組へ」「午前は3歳児、午後は1歳児へ」と、毎日のように配置が変わることもあります。
結果として、
- どのクラスの子どもとも深く関われない
- チームの一員として見てもらえない
- 自分の役割が曖昧になる
といったストレスにつながり、結果として「たらい回しにされてる」と感じやすくなります。
理由② 指示が曖昧
現場の先生たちの中で、フリー保育士への指示が曖昧だったり、それぞれで違ったりするケースも少なくありません。
担任によって指示の仕方や優先順位が異なるため、
- 「この子、午睡のときはどうしてるの?」
- 「どこまで介助していいの?」
といった判断に迷う場面が多くなります。結果として、ミスを指摘されたり、必要以上に気を使ってしまったりと、働きにくさを感じる原因になります。

クラスによってやり方もバラバラなので、担任をしていた頃とはまた違った臨機応変な対応が求められますね。忙しいと担任の先生にも聞きづらいし…。これはこれで大変ですね…。
理由③ そもそも休みやトラブルがなく人手が足りている
園全体が落ち着いていて欠員も出ていないと、フリー保育士が「どこに入るべきか」が曖昧になります。
- 「今日は特に入ってもらうクラスがないから、とりあえず○○へ」
- 「あの先生が忙しそうだから少し手伝って」
といった形で、「決まった居場所がない状態」になります。
人手が足りている園ほど、かえってフリー保育士の仕事が曖昧になりやすく、「頼られない」「任せてもらえない」と感じてしまうことがあります。つまり、忙しいときは「穴埋め要員」、落ち着いているときは「居場所がない」という矛盾した状況が生まれるのです。
たらい回しから抜け出す5つの対処法

では、こうした状況をどう改善すればいいのでしょうか。ここでは、すぐに実践できる方法を紹介します。
対処法① 「役割」を明確にするためのコミュニケーションを取る
最も重要なのは、「自分の立場をはっきりさせること」です。
- 朝礼や会議で、自分が担当する時間帯や役割を確認する
- 「私は○○の補助で入っていますが、この部分はどこまでお手伝いしますか?」と確認する
- 各クラスのやり方を聞き、メモする
こうしたやり取りを積み重ねるだけでも、園内での認識が変わります。遠慮せずに自分の役割を伝えることが、結果的にたらい回しを防ぐ第一歩です。
対処法② 自分の得意分野を活かして“役割”を作る
「どこへ行っても手伝いばかり」という状況から抜け出すには、自分ならではの得意分野を園内に定着させることが効果的です。
例:
- 工作・製作が得意なら「製作準備のサポート」
- 行事準備が得意なら「備品整理や飾りつけ担当」
このように、日々の中で得意を発揮する場を見つけてみましょう。周囲から「○○先生にお願いすれば安心」と思われるようになると、「誰でもいい存在」から「必要とされる存在」へと変わっていきます。

私も正社員時代はフリー保育士さんに、製作で作るハロウィン飾りのデザインをお願いしたことがあります。本当に助かりましたね…。
対処法③ 「忙しくない時間の動き方」を自分で提案する
人手が足りているときは「居場所がない」と感じやすくなります。この場合は、自分から園全体を支える提案をしてみるのがおすすめです。
例:
- 「今の時間、書類整理や制作補助をしましょうか?」
- 「次の行事に向けて準備できることはありますか?」
といった一言を添えるだけで、周囲の印象は変わります。「動ける人」と認識されることで、信頼が生まれ、無駄なたらい回しも減ります。
対処法④ 園長や上司に「事実ベース」で相談する
どうしても改善が見られない場合は、園長や上司への相談を検討しましょう。ポイントは「感情」ではなく「事実」で伝えることです。
具体的な事実を添えて伝えると、上司側も「人間関係の愚痴」ではなく「業務改善の相談」として受け取りやすくなります。また、相談の際は「改善したい意欲」を示すことも大切です。
園長や主任は園全体の人員配置を把握しているため、話し合いを通じて担当の固定化や役割の明確化など、具体的な調整が入ることもあります。
対処法⑤ 「働く条件」を見直し、環境のミスマッチを防ぐ
もし「やりがいを感じられない」、「自分の力ではどうにもならないほど振り回されている」と感じるなら、転職も選択肢に入れるのも一つの手段でしょう。
最近では「フリー保育士」でも勤務希望条件を細かく指定できる求人サイトが増えています。
レバウェル保育士なら、非公開求人多数、事前に職場の人間関係や評判も確認可能で、連絡手段も選べます(LINE・メール・電話)。

まとめ:あなたの働き方は、あなたが選べる

「フリー保育士がたらい回しにされる」のは、本人の責任ではありません。制度・人員配置・園の文化など、構造的な問題が多くを占めています。
ただし、
- 自分の役割を明確にする
- 環境を見直す
- 経験を強みに変える
この3つを意識すれば、必ず現状は変えられます。
働く園は一つではありません。「どんな働き方なら、自分も子どもも笑顔で過ごせるか」を軸に、納得できる選択をしていきましょう。