保育士から事務職に転職できる?未経験でも採用されるためのコツと注意点

「もっと落ち着いた仕事がしたい…」

「パソコンを使った仕事に興味がある」
そんな理由で、保育士から事務職への転職を考える方が増えています。
とはいえ、
- 事務職は未経験だけど採用される?
- 保育士としての経験ってアピールになるの?
- 何から準備すればいいの?
といった不安を抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では、未経験から事務職に転職したい保育士さん向けに、採用されるためのポイント・注意点・おすすめ準備方法を徹底解説します。

保育士から事務職に転職するのは可能?

未経験でも十分に可能です。
事務職は「未経験歓迎」「職種転換OK」という求人も多く、特に20代〜30代の若手であればポテンシャル採用されるケースも珍しくありません。
事務職への転職が多い理由
- 体力的な負担が少ない(長期的に働きやすい)
- 土日休み・定時退社など、家庭と両立しやすい
- 保育士としてのコミュニケーション力・責任感が評価される
とはいえ、事務職に求められるスキルや考え方には違いもあるため、保育士の経験をどう活かすかの“伝え方”がカギになります。
保育士から事務職への転職で活かせるスキルとは?
保育士経験が活きるポイント
保育士の経験 | 事務職での活かし方 |
---|---|
報連相・保護者対応 | 電話応対・メール対応・社内外の調整業務 |
書類作成(連絡帳・計画書など) | ExcelやWordでの報告書・資料作成 |
イレギュラー対応力 | 緊急対応や突発業務への柔軟な判断力 |
チーム保育・連携 | 社内の人間関係構築・チームワーク力 |
→ 「特別な資格がないから無理」と思わず、これまでやってきた仕事を“事務的なスキル”に翻訳する意識が大切です。
事務職に転職するための5つのコツ
志望動機を明確にする
- 「保育士から事務職に変わりたい理由」が納得感を持って伝えられるように準備
- 「働き方を変えたい」「成長のためのキャリアチェンジ」など前向きな動機を伝える
保育士経験を事務的スキルに言い換える
- 「記録や計画作成」→「正確な文書作成能力」
- 「保護者対応」→「対人対応力・調整力」
- 企業目線での言い換えがポイント
パソコンスキルをアピールする(学んでおく)
- ExcelやWordの基本操作(表計算・文書作成)
- ビジネスメールのマナーやタイピング速度
- 日商簿記などの資格も必須ではないが、経理・総務系の求人で重視されやすい。
応募書類・面接では「変化への対応力」を伝える
- 異業種転職では「適応力」「学ぶ姿勢」が重視される
- 面接では「なぜ事務職を希望したのか」と同時に「なぜ保育士を辞めたのか」も問われることが多いため、ポジティブな退職理由を用意
「未経験OK」の求人に狙いを絞る
- はじめからスキル必須の求人を狙いすぎると落ちやすい
- 「一般事務」「営業事務」「医療事務」「受付事務」など、経験不問で始められる分野が狙い目
転職活動で注意すべき3つのポイント

保育士だから不利というわけではないが、対策は必要
- 事務職は人気職種=応募者も多い
- 「なぜあなたが選ばれるべきか?」を意識して、事務職に対する理解と意欲をしっかり示すことが重要
給与が下がる可能性もある
- 保育士と同等、もしくはそれ以下のスタート年収になることも
- ただし、体力的・精神的な負担が少ない、将来の昇給の可能性などを踏まえ、トータルでの働きやすさを重視すると◎
保育士資格は“使わない”前提
- あくまで事務職の応募者として評価されるため、保育資格の有無が有利になるとは限らない
- あえて資格に頼らず、職務内容ベースでアピールするのが効果的
転職活動を始める前にやっておくべき準備
やること | 内容 |
---|---|
自己分析 | どんな働き方をしたいか?なぜ転職したいのか?希望条件の明確化 |
志望動機の練習 | 保育士→事務職の文脈を整理し、筋の通った志望動機を準備 |
履歴書・職務経歴書の作成 | 保育士としての経験を事務に活かせる強みに変換して記述 |
求人サイトやエージェントへの登録 | 非公開求人やサポートを受けられる |
志望動機・自己PRの例文集

志望動機の例文①(業界未経験の事務職希望)
保育士として勤務する中で、記録や書類作成、電話対応、保護者との調整業務など、事務的な業務にも携わってきました。次第に、そうした業務の正確性や効率を意識して取り組むことにやりがいを感じるようになり、今後は事務職として新たなキャリアを築きたいと考えるようになりました。御社ではチームワークを大切にしながら業務に取り組まれていると伺い、これまでの現場で培ってきた連携力や調整力を活かして貢献できると考え、志望いたしました。
志望動機の例文②(働き方の見直しを理由に)
保育士として現場に立つ中で、自分のライフスタイルや将来的な働き方について見つめ直す機会がありました。子どもたちと向き合う日々は非常に充実していましたが、今後はより安定した労働環境の中で長期的に働き、スキルアップを図っていきたいと考えるようになりました。事務職は未経験ではありますが、日々の書類管理や丁寧な対応力、報連相の徹底など、現職で培った力を活かして御社のサポート役として成長していきたいと考えております。
自己PRの例文①(正確性・丁寧さをアピール)
保育士として、子ども一人ひとりの記録や健康状態、日々の変化を正確に記録・報告する業務に日常的に取り組んでまいりました。特に、ミスの許されない情報共有や書類管理では、正確性と丁寧さを第一に意識して行動してきました。また、保護者対応やチーム内での調整も多く経験しており、対人関係においても柔軟かつ誠実な対応ができると自負しております。これらの経験を活かし、事務職でも周囲と協力しながら確実に業務を進めていきたいと考えています。
自己PRの例文②(調整力・対人スキルを強調)
保育の現場では、保護者、職員、子どもなど様々な立場の人と関わる中で、情報を整理し、調整する力が求められます。私は、行事準備や緊急時対応など、チームで動く業務を円滑に進めるため、常に相手の立場を理解し、伝え方を工夫するよう心がけてきました。そうした経験を通して培った「調整力」や「対人スキル」は、事務職においても、社内の円滑なコミュニケーションや業務推進に活かせると考えています。
保育士資格を活かせる事務職も紹介
保育園・幼稚園の事務職
特徴
- 園の運営を事務面から支えるポジションで、現場と密接に関わる職種です。
- 正職員のほか、パートや臨時職員での求人も多く、保育士資格を持つ人が優遇されることがあります。
主な仕事内容
分類 | 内容 |
---|---|
電話・来客対応 | 保護者からの問い合わせ、地域からの電話など |
保護者対応 | 登園・降園時の受付、書類提出の確認、行事案内など |
書類作成・管理 | 保育料の計算・請求管理、出欠管理、勤務表の集計など |
備品管理 | 文具・消耗品の発注と在庫管理、給食用物資の確認など |
行事補助 | 発表会や遠足などの運営サポート、配布物準備など |
活かせる保育士経験
- 園内ルールや行事の流れを理解している
- 保護者への対応が丁寧
- 子どもの様子から異変に気づくことができる

保育教材会社・子ども用品メーカーの事務職
特徴
- 企業内のオフィス業務で、保育や教育関連の商材(絵本、玩具、教材など)を扱う企業での勤務です。
- 商品開発部門や営業部門の補助として働くことが多く、保育現場を理解している人材が重宝されます。
主な仕事内容
分類 | 内容 |
---|---|
受発注処理 | 商品の注文受付・伝票発行・納期調整など |
顧客対応 | 保育園・幼稚園などからの電話・メール応対 |
営業サポート | 資料作成、カタログ発送、展示会準備など |
データ入力 | 売上・在庫・顧客情報の入力・更新管理 |
商品説明補助 | 現場経験をもとに、使い方や価値の説明を行うことも(稀に) |
活かせる保育士経験
- 教材の選定基準や現場ニーズを理解している
- 商品説明や提案時に、保育現場での実用性を説明できる
- 子ども目線・保育士目線で商品を評価できる

まとめ|保育士経験は事務職でも立派な武器になる

保育士から事務職への転職は、決して不利ではありません。むしろ、保育士で培った「調整力」「責任感」「記録作成」「人との関わり方」は、事務職に求められる資質と多く重なっています。
ポイントは:
- 経験をどう“翻訳”して伝えるか
- どの企業でも必要とされる汎用スキルに変換すること
- 謙遜せず、学ぶ姿勢を持って前向きに臨むこと
あなたのこれまでの経験は、事務職でも必ず活かせます。焦らず、着実に、次のキャリアを築いていきましょう。